デート1回3万円で「アプリ離れ」…米Z世代で激変する恋愛事情、無料の“ランニングクラブ”が人気の理由
相手の男性が財布を忘れたと言い、後で必ず返すと誓ったのに、それきり男性から連絡が来ることはなかった、という。この女性は「ここ(ニューヨーク)のデート事情は最悪よ。本当にひどい」と話し、この体験だけでなく、デートがしにくくなった世の中に怒りをぶつけている。
アメリカ人の知人の家に食事に呼ばれて行った際、大学生の長男がいたのでこのことを尋ねてみると「マッチングアプリなんかで知り合って、初めてのデートで会った瞬間、タイプじゃないなと思ったら『財布を忘れた』と言うようにしているヤツはけっこういる。男だって費用対効果を考えないとね。何をするにも高いから」とのことだった。どうやら、「財布を忘れた」は手口として広がっているようだ。
ブリガムヤング大学ウィートリー研究所などの調査によると、アメリカの22~35歳の未婚の若者のうち、1カ月に1回以上デートをしていると答えたのは31%だった。積極的にデートをしているのは3人に1人しかいないということになる。デートする上での最大の障壁として、約52%が「資金不足」を挙げている。
冒頭で触れたように、大手金融グループBMOによると、アメリカでの1回あたりのデート費用(デート前の身支度やガソリン代などを含む)は約189ドル(約3万円)で、前年比で12.5%増加した。同期間のアメリカのインフレ率が2.7%であることを考えると「デート・インフレーション」のすさまじさがわかる。若者のデート事情が荒廃するのがうなずける数字だ。
費用高騰でデートをするアメリカ人の過去1年間の平均デート回数は12となり、前年の14回から減少した。
特定の彼女や彼がおらず、相手探しをしている若者の場合、費用の負担感が特に重くのしかかっており、47%が「デートは金銭的に見合うものではない」と回答している。今の20代を中心とする「Z世代」では50%が「デート費用が経済的な目標達成の妨げになっている」と回答するなど、デートは楽しいものではなく、人生の苦痛に分類されている。
ニューヨークに住む別の知人の1人息子が就職を機に1人暮らしを始めたいと実家を出たが、家賃が高すぎて、仲間2人とともにルームシェアすることにした。マンハッタンではとても暮らすことができず、ブルックリンで部屋を見つけた。若者に人気のブッシュウィックという地域は、少々治安に難があるが、家賃や物価が比較的安く、ここ数年、住む場所としても、デートする場所としても、ニューヨークの若者の間でホットな場所になった。
