すかいらーくも参入 テイクアウトや宅配に特化「ゴーストレストラン」は成功するか?
「ガスト」を運営する、すかいらーくホールディングス(HD)は、テイクアウトや宅配に特化した「ゴーストレストラン」を展開する考えを明らかにした。
【もっと読む】「ゆで太郎」大卒初任給35万円の衝撃…外食産業で加速する劇的な人材争奪戦
中食需要の増加や、来年4月に予定されている食料品の消費税減税に対応する狙いがある。
ゴーストレストランは、店内に飲食スペースがなく、調理場と受け取りに必要な場所だけを設けた店舗のこと。消費税減税はテイクアウト・宅配の税率が8%から1%に縮小される一方、店内飲食の税率は10%が維持されるため、ゴーストレストランでは安く提供できる可能性がある。すかいらーくHDは新業態店の出店にあたり、専用メニューも開発する計画だ。
同じ外食産業では吉野家が2022年からテイクアウト専門店を出店し、現在では首都圏を中心に36店舗を展開する。面積と投資額が従来店の半分程度で済み、ホール要員の教育が不要といったメリットがある。
ローソンは店内調理品の宅配を「ゴーストレストラン」と称して21年から展開。今年7月時点で全国45都道府県の約1600店舗に導入している。洋食や中華料理を揃え、導入店舗では店内調理品の売り上げが1割ほど増えたという。
ゴーストレストランはコロナ禍を契機として中小の業者や異業種からの参入が相次いだ。富士経済によると、19年にわずか13億円だった市場規模は21年には500億円に成長した。以降、公式の統計は出ていないが、飽和状態にあるようだ。
「ウーバーイーツなどの宅配事業者が積極的に募集をかけたことで増えた。参入のハードルも低く、1つの調理場から『カレー専門店』『洋食キッチン』と複数のブランドを展開できる。だが、物価高で配送料を含めた価格が店内飲食より高くなってしまい、フードデリバリー市場自体が下火になり、それに伴ってゴーストレストランも厳しい状態に陥った」(外食関係者)
デリバリー(出前)市場の規模は23年に8603億円となったが、24年に約6%縮小。25年の見込み額は2%増えたものの、8240億円で以前の水準を下回る(サカーナ・ジャパン調べ)。
節約志向が高まる中、配送料や高い価格設定がネックになっている。北欧発の宅配サービスWolt(ウォルト)は3月に日本でのサービスを終了し、「menu」も9月に終了する予定だ。このような状況で、すかいらーくのゴーストレストランは成功するのか。
前出の外食関係者は「テイクアウトの集客は、面積が大きく目立つ既存店の方が有利なので、新業態店はデリバリーの成否次第だ。だが、デリバリーは減税分以上に配送料が高いと客は集まらない」という。大手とはいえ一筋縄ではいかないだろう。
(山口伸/ライター)
◇ ◇ ◇
外食産業の最新ニュースは、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
