《「正直、かわいい」ハタチの被告に死刑求刑》「誰も私の話を信じてくれません」2人殺害の“薬物混入ドリンク女”が法廷で読み上げた手紙「私には最後の夢があります」【韓国】
いま韓国で注目を集めている「江北モーテル殺人事件」。8月18日に韓国検察は計6人の男性に向精神薬を混ぜた飲み物を飲ませて、このうち2人を殺害した罪に問われているキム・ソヨン被告(20)に死刑を求刑した。今月27日に言い渡される判決に注目が集まっている。
【写真を見る】「本当に美人だ」「写真加工にだまされた」様々な意見が飛び交ったキム被告(20)のビジュアル
被告の年齢が若いことはもちろん、その"ビジュアル"もさまざまな憶測を呼んでいる。
SNSなどでは「正直、かわいい。俺でもすぐ飲み物を飲む」「本当に美人だ。目つきが鋭いのに美しい」「写真加工にだまされた」「詐欺罪も追加すべきだ」などとさまざまな意見が飛び交った。【前後編の後編。前編から読む】
昨年12月から、異物混入飲料事件3件への関与が明らかになったキム被告。警察が携帯電被告の携帯電話を解析したところ、「ChatGPTに睡眠薬の大量摂取や、酒との併用による死亡可能性を質問し、危険だという回答を得た」(大手紙国際部記者)という。
その上、彼女の携帯電話からは"別件"も浮上したのだ。
「キム被告の携帯電話やSNS、接触した男性らを洗い出したところ、昨年10月から1月にかけて、さらに3人が同様の状況で意識を失っていたことが判明しました。死亡はしなかったものの、危険な状態に陥っていた。事件からかなり時間が経過していた1人をのぞき、2人の毛髪鑑定からは、同じ系統の向精神薬の成分が検出されました」(同前)
キム被告なぜ次々に男性らを手にかけたのか。
「捜査当局によると、キム被告は男性らに高級レストランやホテル、買い物などの費用を負担させ、金銭問題が起きると、薬物で"排除"しようとしていたと指摘しています。
キム被告はモーテルで死亡した2人目のケースで、入室から1時間半後に1人で部屋を出ています。その際、男性が購入したチキンなど13万ウォン分を持ち帰っていました」(同前)
キム被告は、一部の被害者に薬物を摂取させたことは認めたうえでこのように供述している。
「被害男性から同意のない身体接触を受けた」
「過去に似ている強姦被害を受けて、その記憶が蘇った」
現地報道によると、弁護人は「被告人には薬の成分や致死量についての認識がなかったため、傷害や殺人の故意はなかった。被害者らが性的な行為をしようとしたため、防ぐ目的で薬を与えただけだ」と主張している。
あたかも被害男性に責があるかのような主張だが、例えば2人目の被害者には自ら会おうと誘っていたことが判明している。
韓国では、近年死刑判決が確定することは稀なため、検察は死刑求刑をするとともに、30年間のGPSのついた電子装置の装着命令を求めている。まだ若い被告が数十年後に刑務所から出た場合に備えての対策だ。弁護側はそれすら棄却を求めている。
「事件の大部分を否認している。被告の主張を十分に検討したうえで無罪を言い渡してほしい。有罪だとしても最大限の情状酌量をお願いしたい。再犯の危険性はないため、検察が請求した電子装置の装着命令についても棄却を求める」(弁護人の主張より)
しかし検察側は、被告側とはまったく異なるストーリーを描いているようだ。
「検察はキム被告がChatGPTで調べるなどして、向精神薬を飲ませる自らの行為が、男性を死亡させる危険性があったことを事前に認識していたと主張しています。
2025年12月にキム被告に薬を飲まされた元交際相手が2日間にわたって意識不明になった後、薬物の量を増やして同じ犯行を繰り返している。こうした行動から殺意がなかったという被告の主張は『信用できない』と訴えています」(前出・大手紙国際部記者)
加えて、キム被告の法廷での態度を「虚偽の供述をして、反省をしていない」として死刑を求刑した。
キム被告は法廷では終始無表情だったという。しかし、18日の論告求刑公判では最終陳述で事前に書いてきた手紙を読み上げた。
「誰も私の話を信じてくれません」
「死ぬまで自分の過ちと行動を忘れず、罪を償いながら生きていきます。私はいつも自分が不幸だと思っていました。しかし拘置所に来て、母や姉と一緒に温かいご飯を食べたことが、とても大きな幸せだったのだと分かりました」「私には最後の夢があります。家族のそばにいたいです。どうか命を助けてください。私にきちんと生き直す機会を一度だけ与えてください。お願いします」
遺族らは検察の死刑求刑を支持している。
「韓国では日本以上に死刑に敏感になっており、近年は執行がありません。1審で仮に死刑判決が出ても、控訴審でひっくり返ることも多い。今回、地裁がどのような判断をするか注目されます」
8月27日の判決が待たれる。
(後編了。前編から読む)
