「特定の生徒を狙ったわけではなく、突発的にやった」──。群馬県教育委員会は、県立高校に勤務する20代男性教諭を懲戒免職処分にしたと発表し、謝罪した。

【映像】生徒の水筒に自分の尿を混入→男性教師が懲戒免職

 その理由は、生徒の水筒に自身の尿を混入させたことだという。水筒に違和感を覚えた生徒が保護者に相談したことで事件が明らかになった。

 その行為をした理由は不明だが、どんなことが考えられるのか専門家に聞いた。新潟青陵大学大学院の碓井真史教授は、「今回の水筒に尿を入れるっていう、自分は相手のことをどんなにひどいことでも思い通りにすることができる、そう感じたいための支配欲に基づく行動というのが1つ考えられる」と分析する。

 さらに、性的な快楽を感じていた可能性を指摘した上で、「心理学的な言葉を使えば『衝動的逸脱』。非常にストレスが溜まってくると、自分のことしか考えられない状態になる。日頃、“良い人”とかっていうことはもう関係なくなる。本人にもよくわからないような形で、3つのことが絡み合っているのかもしれない」と解説した。

 教諭は「水筒を使用できなくした」として器物損壊容疑で書類送検された。この背景について、法律事務所三ツ星の中川みち子弁護士は次のように解説する。

「『器物損壊』とは、『物の効用を害する一切の行為』を指し、壊す、汚す、隠すといったような、『使えなくする』行為を広く含むほか、心理的な意味で使えなくすることも含まれる。普通の感覚では使用するに堪えないというときには、これも『損壊』に当たる」

 また、尿を入れられたことで精神的に強い影響があれば「傷害罪」に該当する可能性もあるという。生徒は精神的苦痛や体調不良を訴え、登校できない日があるという。教育委員会は被害生徒保護の観点から生徒の性別などを公表していないが、教諭と生徒側とで示談が成立していることから、不起訴処分になる可能性が高いとみられる。

 ここで問題になるのが、今年12月から施行される「日本版DBS」。性的な犯罪を犯した教職者などの教育現場への就職を制限する制度だ。

 中川弁護士は「今回の行為は器物損壊罪。もし器物損壊罪で有罪になったとしても、器物損壊罪は日本版DBSの特定性犯罪に当たらないため、性犯罪歴として照会できない」 「懲戒免職は教員免許の失効理由のため、教職につく可能性は低いが、免許が不要の教育関係の職に就く可能性がある」と指摘した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)