阪神・糸原2軍戦でV弾 1軍切り札へベテラン一振り 平田2軍監督「さすが。若い子も見習って」
「ファーム・西地区、広島0−2阪神」(25日、由宇球場)
スコアボードには八回まで「0」が並ぶ。だが土壇場でこの男が黙っていなかった。阪神・糸原健斗内野手(33)が九回2死一塁から決勝2ラン。頼れる男の一発に由宇の虎党が熱狂した。
打った瞬間だった。益田の内角低め直球を捉えた。「速い球に合わせていたので」と狙い通りだった。一塁側ベンチからは「行ったやろ!」とナインが口をそろえて歓喜の声を上げた。殊勲の男は会心の一発にも全力疾走。一塁を回ったところで打球は右翼フェンスを越えていった。そのまま本塁へ戻ると満面の笑みでハイタッチを交わした。「1球で仕留められて良かったです」。ファンに見送られ、クールに帰りのバスへ乗り込んだ。
この日は8月25日。夏休みも大詰めの中、由宇へ観戦に来る子どもたちも多かった。固唾(かたず)をのんで見守った糸原ファンの少年もタオルを片手に「来て良かった」と何度もつぶやいた。糸原も「(子どもたちへ勇姿を届けられたことに)そこはよかった」と笑顔を見せた。誰もがヒーローの姿に憧憬(しょうけい)を抱いたはずだ。
平田2軍監督は「さすが。勝負強さは若い子たちも見習ってほしい」と目を細めた。5日の登録抹消後は12打数4安打で打率・333と限られた出場機会で集中力がさえ渡る。1軍は9月も過密日程が控える中、切り札としての出番はある。虎にはこの男の力が必要だ。
