初公判を終えて裁判所を後にする元日本代表本多灯被告 (カメラ・小泉 洋樹)

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 制限速度を超えて車を運転し、対向車両と衝突して相手にけがを負わせたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪に問われた、競泳男子200メートルバタフライで2021年東京五輪の銀メダリスト、本多灯被告(24)の初公判が25日、東京地裁立川支部で開かれた。本多被告は起訴内容を認め、検察側は拘禁刑1年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は9月9日に出される。

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 紺色のスーツとストライプのネクタイ姿の本多被告は、落ち着いた表情で入廷した。起訴内容については「間違いありません」と認め「一歩間違えれば、もっと大きな事故になっていた。(被害者は)日常生活にも支障が出ていると思う。謝罪しても仕切れません」と頭を下げた。約40分間、終始淡々と細い声で質問などに答えた。

 起訴状によると昨年11月21日、都内の最高時速30キロの道路を時速88〜108キロで運転し対向車線にはみ出して対向車と衝突。60代男性に胸骨骨折などのけがを負わせたとしている。検察側は、本多被告が練習に向かう道中、前方のスポーツカーがスピードをあげたことで「負けたくないという対抗心が芽生えた。追いかけることに必死だった」と説明。カーブを曲がりきれずに衝突したという。競技面で精神が不安定だったとした被告は「冷静な判断ができなかった」と述べた。

 30キロ道路での大幅な速度超過。中島経太裁判長からは過去にもあったかを問われたが、被告は否定。弁護側も、危険運転の常習性はないと主張した。被害者には3度、電話で謝罪したという。賠償に加え「車を買って欲しい」という思いで、自ら150万円を支払った。自身の車は廃車とし「今後、2度と車は運転しません」と宣言した。

 起訴を受け、本多被告は代表に内定していたパンパシフィック選手権(8月、米アーバイン)とアジア大会(9月、名古屋)の出場を辞退。中島裁判長からは「こういう過ちがないよう、糧としてください」と諭された。被害者は「若いし、スポーツ選手として頑張って欲しい」という思いから、強い処罰は望んでいないという。本多被告は「罪を償って、行動を改めていきたい」と、反省の言葉を繰り返した。

 〇…日本水泳連盟は25日に初公判を迎えた本多被告について、判決後に処分を検討する方針を示している。同連盟は、本多被告の事故と起訴に関する報告が今年の7月31日と大幅に遅れたことを問題視。当面の選手活動の自粛とともに、夏の日本代表活動辞退を発表していた。9月9日の判決後、同連盟の倫理委員会での審議などを経て処分が決まる見通し。

 ◆本多 灯(ほんだ・ともる)2001年12月31日、横浜市生まれ、24歳。3歳から兄の影響で水泳を始め、中学から200メートルバタフライに取り組む。日大藤沢高時代の19年に世界ジュニア選手権の同種目で銀。21年東京五輪で銀メダルを獲得し、24年世界選手権で日本男子史上初の金メダル。24年パリ五輪では2大会連続出場。173センチ。