4月、オーストラリアを訪問するヘンリー王子とメーガン妃

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再移住ではなく「長期滞在」

「ヘンリー王子とメーガン妃の一家が8月中に英国に帰国へ」の報は、英国時間19日夜に流れた。口火を切ったのは英紙テレグラフとサンの電子版。BBCや英紙タイムズがこれに続いたこともあり、20日朝には「帰国は確定」の空気となった。

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 7月にヘンリー王子が一時帰国し、追ってメーガン妃と子供たちが合流してチャールズ国王と対面した際は、今後は頻繁に帰国するだろうと報じられた。今回の報道でも、再移住というよりは英国にも拠点を持っての「長期滞在」と表現されている。

 帰国の大きな理由として挙げられているのは子供たちの就学である。アーチー王子(7)とリリベット王女(5)が英国の学校に通うあいだ、王子夫妻はロンドン郊外に暮らす。学校名と居住地は現在のところ明かされていない。

4月、オーストラリアを訪問するヘンリー王子とメーガン妃

 新しい住居は英王室の所有ではないとみられているが、賃貸か購入かは不明。一方、自宅としていた米カリフォルニア州モンテシトの豪邸と、2024年に購入したポルトガルの別荘は維持される。

 英国滞在中は英王室の公務に参加せず、英国の公費も受け取らず、米国在住時からの“ビジネス”を継続する。チャールズ国王がこの帰国計画を知ったのは16日だったが、私的な場で家族とより多くの時間を過ごせる機会として歓迎しているという。

 20日朝までに出そろった概要と報道の流れからは、関係筋からのリークによる“周知”のニュアンスが感じられる。続報によると、居住地はコッツウォルズの可能性が高いようだ。

米国で地に落ちた名誉

 王子夫妻は2020年3月の公務をもって英王室から“離脱”し、自活を前提とした米国での新生活を選んだが、同時に一連の“暴露”が始まった。

 英王室内の人種差別的発言を明かすテレビインタビュー、Netflixドキュメンタリーの配信、ヘンリー王子の自叙伝『スペア』出版――米国では当初、王子夫妻を好意的に見る向きもあったが、そのうち「またか」の空気が流れ始めた。傷を受けたことはたしかでも、「向こうが悪い」と言い続けて周囲の共感を失う過程は一般人と同じである。

 米国における転換点の1つは、配信大手SpotifyおよびNetflixとの巨額契約とその失敗だった。王子夫妻はコンテンツ制作ビジネスを自活の柱にと考えていたが、作品はどれもお粗末すぎる内容。Spotifyに至っては契約した制作本数を満たさず、同社幹部から「詐欺師」呼ばわりされたこともある。

「ハリーは私が今まで見た誰よりも尻に敷かれている」「ハリーはひどく利用されていると思うし、いつか後悔するだろう」と発言したのはトランプ大統領だった。ヘンリー王子の米国ビザを巡る論争にも言及したことがあり“不仲”は明白。英国での長期滞在を決断した背景として、トランプ氏の影響もあるのではという推測もある。

 ことあるごとに評判が下がり、面倒なイメージが定着してしまった2人だけに、米国から別れを惜しむ声は聞こえてこない。あるセレブは2人の“退却”を喜んでいるとの報道もあるが、ニュースとしての優先順位が低くなった現状は無視できない。

歓迎よりも困惑ムードが漂う英国

 では、そもそも好意的な報道がほぼ皆無で、英王室人気投票でもアンドリュー元王子とメーガン妃の最下位争いが定番の地元・英国はどうだろうか。

 メーガン妃批判の総本山こと英紙デイリー・メールは、「王室生活から逃亡して6年後に家族を英国に戻すという衝撃的な決定は、米国を制するという彼らの壮大な計画が失敗したことを認める、これまでで最も劇的な告白と見なされる可能性が高い」と報じた。さすがの言い回しである。

 英メディアは、歓迎よりも帰国にまつわる問題が気がかりなようだ。たとえば警備。ヘンリー王子は米国移住時に引き下げられた警備レベルをめぐり、英内務省を相手に訴訟を起こした。その控訴審で敗訴した2025年、自身の家族が英国を訪れる世界は「想像できない」とまで発言したのに、なぜ長期在住なのか。英首相のバーナム氏は20日、王子夫妻の警備体制は「私的な問題」と述べたが、王室の警備に関する決定権を持たない立場だ。

 現在は王室の敷地内だけ公費による警護がつくものの、ロンドン郊外の新居は「王室の所有ではない」と報じられている。米国のように私設警備を雇用するのか。その費用はどうするのか。王子夫妻は現在のビジネスを継続するものの、儲かっているのかは疑問符が付く。

 顔も合わせないすれ違いが続く兄・ウィリアム皇太子との今後も懸念されている。王室専門家たちの多くは改めて、皇太子の怒りが解ける可能性を否定。加えて、海外訪問など王子夫妻が行っている“一般人以上ロイヤル未満”の行動が継続されるのかなど、王室との兼ね合いも火種のひとつだ。

 本人のメリットより周囲のデメリットが大きく見える今回の決断。それが拗れて愚痴と暴露の復活につながらないことを祈りたい。

デイリー新潮編集部