死球を受けた森下選手

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首位攻防3連戦での出来事

 11日からの巨人との首位攻防3連戦(東京ドーム)で阪神は3連勝。いいことづくめというわけではなく、カード3戦目では森下翔太外野手が死球を受け、藤川球児監督がグラウンドに飛び出し、声を荒らげる場面もあった。これに関して藤川監督の振る舞いや巨人の与死球数などに注目が集まっているが……(数字はすべて16日現在)。

【画像】グラフで見る「セ・リーグ 与死球・被死球」 2024年と2025年と合わせて

 第3戦の一回2死。巨人の西舘勇陽投手の初球が森下の背中を直撃した。2試合連続の死球。抗議のために藤川監督に続いてコーチ陣がグラウンドに出てくるのは今年何度も繰り返された光景だ。

 監督は巨人ベンチに向かって声を荒らげ、ベンチを蹴るほど怒りは収まらなかった。一連の死球禍については「監督があそこまで怒るのはおかしい」「死球の多さは良いバッターの証」「死球は仕方ない面もある」「巨人は与死球が多い」「また西舘か」「二流の投手ばかりで……」などといった擁護や批判の声が解説者や双方のファンからあがったのだった。

死球を受けた森下選手

「巨人は与死球が多い」

「巨人は与死球が多い」のはあくまでも今季の現時点での話だが、事実だ。各球団の与死球と被死球を与死球の多い順に並べると、以下の通りだ(カッコ内はその差、*2024年、2025年分と共にグラフを参照のこと)。
 巨人49・35(14)、ヤクルト45・28(17)、DeNA39・48(-9)、広島35・31(4)、中日32・39(-7)、阪神30・54(-24)。

「藤川監督は前半戦の最後に甲子園で巨人と対戦した際にも“セ・リーグで一番与死球が多いのは巨人。それはもう当然分かっていますから”となどと、けん制していました」

 と、スポーツ紙デスク。

「また西舘か」との声については今年7月、西舘がヤクルトのルーキー松下歩叶(あゆと)内野手に頭部死球を当てて病院送りにして危険球退場となったことを指すのだろう。

「監督があそこまで怒るのはおかしい」という見方については、広島との間でも阪神が「死球禍」に直面したことを踏まえる必要がありそうだ。

 7月17〜19日に開催された広島戦(マツダスタジアム)。カード1戦目、前川右京外野手がアドゥワ誠投手と島内颯太郎投手から死球を受け、右肩甲骨を骨折。アドゥワが投じたのは144キロの直球、島内は152キロの直球だった。広島の新井貴浩監督は「(4月の)近本くんに続いて(骨折させてしまったのは)2人目なので、本当に申し訳ないと思っている」と謝罪した。

「内角に投げるには技術が必要」

 2戦目はテイラー・ハーン投手が佐藤輝明内野手に対して投じた150キロの直球がインコース胸元付近の「あわや死球」レベルに。3戦目に同じく佐藤とハーンの対決があり佐藤は決勝打を放ったが、直後の大山悠輔内野手の左わき腹付近にハーンの154キロの直球が直撃。両軍入り乱れ警告試合が宣言された。

 新井監督はその後にも「まずはハーンのね。本当に申し訳ないという言葉しか出てこないというか……。その後、大山くんがプレーを続けてくれたので、そこはホッとしました」と謝罪した。

「緩い変化球が抜けてユニフォームをかするくらいの死球になるのは大目に見るとして、150キロ前後の速い球を制球できず打者の頭部や背面に当たるのはプロの1軍ではあり得ないというのが藤川監督の基本的な考え方。“内角に投げるには技術が必要。技術を引き上げてほしい”と実際にコメントしたこともあります」(同)

マインドゲームでも

 今回の巨人への抗議にも藤川監督なりのスタンスが反映されていたということなのだろう。

「死球禍と直接つながる話ではないかもしれませんが、“とにかく巨人より上に”“巨人を直接倒す”というのを口酸っぱく特にコーチ陣に言い聞かせているそうです。巨人への並々ならぬ対抗心を燃やすファン心理を藤川監督なりに理解している。ちなみに森下への死球後の四回、佐藤は西舘からホームランを放ちました。単に森下にぶつけただけではなく監督の抗議を受けてインコースの厳しいところに投げ切ることができなかった、マインドゲーム(心理戦)でも阪神が優位に立っていたと見ることもできるでしょう。西舘が今季、危険球退場したことも頭に入れての抗議だったことは間違いありません」(同)

 その後、坂本誠志郎捕手が西舘から値千金の逆転ホームランを放ち阪神は勝利した。

「対巨人の戦績は13勝7敗で、特に東京ドームでの巨人戦で『シーズン10勝(2敗)』したのは球団新記録。その他も参考までにあげておくと、対中日は13勝6敗、対ヤクルトは10勝5敗、対DeNAは8勝8敗、対広島は9勝8敗1分、対パ・リーグは6勝12敗となっています。これまで消化した試合数にバラつきがあって一概には言えませんが、5位か最下位が指定席となりつつある広島戦で取りこぼしている印象です。巨人に全力で立ち向かったツケとでもいうのでしょうかね」(同)

 阪神と巨人の直接対決は残り5試合。巨人がある程度の巻き返しを見せられるか、それとも阪神が王者として叩きのめすのか。見どころは多そうだ。

デイリー新潮編集部