北朝鮮の金正恩総書記は14日、日本の植民地支配からの解放81周年に当たる「祖国解放節」を迎え、旧ソ連軍兵士を顕彰する平壌の「解放塔」を訪問した。ロシアのプーチン大統領との間では15日付で祝電を交換し、過去の対日戦争を「共通の敵」に対する戦いとして位置付けながら、現在の朝ロ関係を「血縁のきずな」「戦闘的友誼」と表現した。

ウクライナ戦争を背景に軍事協力を急速に深めてきた朝ロ両国が、1945年の日本敗戦と朝鮮半島北部へのソ連軍進駐を、現在の同盟関係につながる歴史的原点として一段と強調した形だ。

朝鮮中央通信が15日に報じたところによると、金氏は14日、平壌市内の解放塔を訪問。ロシア国歌と北朝鮮国歌が演奏される中、金氏名義の花輪を供えた。花輪には「ソ連軍烈士の功績をわれわれは忘れない」と記されていた。

金氏は、朝鮮の解放のために戦った赤軍将兵について「歳月が流れ、世代が交代しても」その犠牲を忘れないと強調。そのうえで、「朝ロの立派な歴史と伝統、血縁のきずなはこんにち、両国の友好・協力関係の根本礎石に、尽きない原動力になっている」と述べた。

注目されるのは、単なる戦没者追悼ではなく、現在のロシアとの関係を歴史的な「血の同盟」の延長線上に置いた点だ。

金氏は同じ14日、大城山革命烈士陵も訪れ、金日成主席とともに抗日闘争を行ったとされる革命家を追悼した。北朝鮮が従来、解放の歴史について金日成主席率いる抗日パルチザンの役割を中心に宣伝してきたことを考えれば、今回、ソ連赤軍の功績を大きく取り上げたことは、現在の対ロ関係の重要性を反映したものとみられる。

プーチン氏も14日付の金氏への祝電で、この歴史観に呼応した。

プーチン氏は解放節について、日本の植民地支配から朝鮮を解放するため「共に戦った朝鮮の愛国者と赤軍軍人」の英雄性を象徴する日だと指摘。当時形成された「戦闘的友誼と相互援助」の伝統が、現在の両国関係の基礎になったとした。