【全国戦没者追悼式】空襲に「死は覚悟」…参列者最高齢98歳、川崎の高橋さん 戦争「巻き込まれることあり得る」

東京・日本武道館で15日に開かれた全国戦没者追悼式には、神奈川県内から13〜98歳の197人が参列した。今回の参列者全体で最高齢の高橋和彦さん(98)=川崎市=は、電車を乗り継ぎ会場にやって来た。「戦争を望む人はいないと信じたい」と犠牲者を悼み、平和を願った。
高橋さんの11歳年上の兄冨彦さんは1945年4月、フィリピン・ルソン島のクラークフィールドで戦死した。27歳だった。早稲田大で機械工学を学んだが、厳しさを増す戦局の中で卒業が4カ月繰り上がり、42年に旧日本海軍に入隊。南洋諸島やフィリピン、台湾で航空機などの整備に携わった。
年の離れた冨彦さんは優しい兄だった。高橋さんが小学生の頃は東京・新宿駅近くの食堂で一緒に食事をしたことや、書店に連れて行ってもらったことが思い出として残っているという。
高橋さんが学徒勤労動員で航空機の計測器を造る工場で働いていた頃に、冨彦さんが1カ月ほど帰国した。「お前たちが造っているんじゃ、ろくなものは造れないな」という冗談も記憶にある。
高橋さん自身も空襲を経験し、「死は覚悟していた」と振り返る。終戦からの81年を「一人一人が平和を望んでつくった社会だと捉えたい」と語る。
集まった報道陣から「戦争について思うことは」と問われた高橋さんからは、現在の世界情勢も踏まえながら、戦禍を知る世代の言葉が返ってきた。「戦争がないに越したことはない。だけど巻き込まれることはあり得る。98歳はそういう意見ですね」
