【甲子園】横浜・織田の登板で起こった大歓声、98年夏の松坂を思い出した
◇第108回全国高校野球選手権第10日 横浜10―1日南学園(2026年8月14日 甲子園)
14日に行われた横浜―日南学園戦。1―1の同点で迎えた6回裏、横浜は無死二、三塁の大ピンチを迎えた。ここで救援のマウンドに登った織田に甲子園がどよめいた。申告敬遠で無死満塁となり、日南学園の4番・谷口への初球が153キロ。そして3球目の156キロで球場のボルテージは一気に上昇した。「役者が出てきた!」そんな感じで無死満塁を無失点に抑えた。
このシーンを見て、以前横浜の元監督、渡辺元智さんから聞いた話を思い出した。98年夏の甲子園。松坂大輔を擁し春夏連覇を狙っていた。準々決勝のPL学園戦は延長17回、松坂は250球完投勝利を収め「あすは投げません」とお立ち台で明言したほど疲労困ぱいだった。
翌日の明徳義塾との準決勝。松坂は左翼手としてスタメン出場。8回表を終わって0―6と大量リードを許していた。残る攻撃は2イニングのみ。渡辺さんは「新チームから負けずにここまできた。どうせ負けるならベストメンバーで負けよう」と松坂をブルペンに走らせた。その瞬間、球場にざわめきが広がり右腕に巻かれたテーピングを松坂が外した瞬間、球場全体から地鳴りのような歓声が沸き起こった。渡辺さんは「長く野球をやってきたが、あの瞬間甲子園球場が揺れた!というのを初めて感じました」と振り返った。試合は8回裏に4点を返し9回には3点を奪って奇跡の逆転サヨナラ勝ち。決勝では京都成章相手にノーヒット・ノーラン、春夏連覇を達成したのはご存知の通り。
14日の試合はナイターで行われバックスクリーンに表示された「156キロ」の数字が鮮やかに浮かび上がった。松坂に似た存在になりつつある織田、優勝への道のりは厳しいが3回戦以降どんな投球を見せるか楽しみでならない。(落合 紳哉)

