《京都11歳男児殺害》「『まだ結希のお葬式もできていません』と涙を流していた」結希くんを愛し慈しんできた祖母の“肉声”、安達被告は「子どもはいらんねん」と吐露も
京都府南丹市で起きた11歳男児殺害事件で、養父の安達優季被告(37)に首を絞められて殺害された安達結希くん。彼を溺愛していたという祖母は6月中旬、涙ながらにこう打ち明けていたという。
【写真多数】防犯カメラが捉えていた犯行後の安達優季容疑者。他、高校時代の優季容疑者の写真なども
「まだ結希のお葬式もできていません」
事件から4か月。結希くんを失った家族と、日本中から注目を浴びた南丹市の現在は、いまどうなっているのか。【前後編の後編。前編から読む】
市立園部小の卒業式に出席するはずだった結希くんが失踪したのは3月23日。京都府警や消防団の懸命な捜索を経て、遺体が発見されたのはおよそ3週間後のことだった。
安達被告の逮捕はそれからわずか3日後だ。
「4月15日朝、京都府警は死体遺棄の疑いが強まったとして結希くんの自宅を家宅捜索。同日夜、安達被告が関与を認める供述をし、逮捕の決定打になった。
府警によれば被告のスマホや車のカーナビの解析が、遺体や遺留品発見に大きく寄与したそうです。失踪した同日、スマホには"遺体を遺棄する方法"といった検索履歴も残っていた」(地元紙記者)
SNSでは早くから"父親犯人説"が囁かれ、報道も日に日に熱を帯びていった。のちに判明するが、被告は犯行に及んだ上で、 "失踪した我が子を憂う父親"を装って捜索にも参加していた。捜査関係者はこう振り返る。
「かなり早い時期から、捜査本部は父親の関与を念頭に動いていた。しかし、安達被告は事件発生当初では失踪事件の"被害者"。結希くんの身柄が確認されていない状態で、逮捕に踏み切るのは難しかった。非常に特異なケースだった」
京都府の中央部に位置する南丹市。人口およそ1万5000人の小さな町で、ニュースになるような犯罪も少ない。そんな町に事件を受けて、こんな変化があった。結希くんの捜索にも関わった南丹市の消防団長・野中大樹さんが語る。
「南丹市の2026年度の補正予算に、防犯カメラを購入する個人や自治体に補助金を出す事業が組み込まれました。事件を受けた市民の不安や、『防犯カメラがもっとあれば、捜査がスムーズだったのでは』といった声を受けての施策です。受付は8月からで、家庭は1万円、自治体などは10万円を上限に半額が補助される仕組みとなっています」
被告は結希くんの母親の再婚相手で、義理の親である。府警の調べには「『本当の父親じゃないくせに』など言われて腹が立った」と話しており、親子の"不和"が犯行に繋がった可能性が高いとみられている。
事件の報道は、南丹市民の価値観にも影響を与えたようだ。結希くんと同級生の子を持つ親の話。
「周りで『子ども連れで再婚するのは慎重にならないと』と話す女性が増えました。私の友人も近く、再婚を控えていますが"子どもと養父の関係"についてかなり不安がある様子です。あまりいい教訓ではないですが、"親のあり方"というものを問われる事件だったと思います」
7月下旬、取材班はあらためて現地を訪れた。報道陣が押し寄せた「るり渓」の別荘地は静けさを取り戻している。被告が結希くんらと同居していた妻の実家のすぐ近くには「安達家先祖之墓」と彫られた墓があるが、結希くんのものらしき墓標は確認できなかった。
前出の消防団長・野中さんが明かす。
「6月中旬、結希くんのおばあさまが役所に消防団の捜索のお礼に来られて。『まだ結希のお葬式もできていない。元の生活も今は考えられない』と言っておられました。泣きながら、それはもう辛そうに話すので、私らもただ黙って話を聞くことしかできませんでした」
深い悲しみの中にいる結希くんの家族。記者が自宅を訪れると、祖母らしき女性が現れた。その姿は、記者が何度か自宅周辺で目撃していた事件当時より、著しく痩せたように見え、表情には悲哀が浮かんでいるように思えた。
──お邪魔します。NEWSポストセブンです。
「ああ……ごめんなさい。事件のお話は……」
──お孫さんを殺した被告に対しておっしゃりたいことはありませんか。
「ごめんなさい、それは話せません」
(記者の顔を数秒見つめる)
──被告についていつから"おかしい"と思っていらしたのでしょうか。
「言えません、ごめんなさい」
事件発生当時の取材で、「おばあちゃんは再婚に反対していたみたい」と証言する近隣住民もいた。愛する孫を奪われた悲しみは筆舌に尽くし難いものがあるだろう。
安達被告の友人によると、事件前、酒の席でこんなことを漏らしていた。
「正直な、子どもはいらんねん」
事件は解決し、控えるのは息子を手にかけた安達被告に対する司法の裁き。しかし、残された家族の時間は止まったままだ。
(了。前編から読む)

