家を建てるという人生の大きな決断が、今、思わぬ形で揺らいでいる。契約を結んだハウスメーカーが工事の途中で経営破綻してしまえば、支払ったお金も、住み始めるはずだった家も、簡単には戻ってこない。脱・税理士の菅原氏は、こうした事態がもはや他人事ではないと語る。
 
菅原氏によれば、住宅業界では倒産件数が近年にない水準まで膨らんでおり、その大半は販売不振によるものだという。住宅価格の高騰や資材費の上昇、金利の変化が重なり、以前と同じ予算では思うような家を建てにくくなっている。実際に、複数の大手ハウスメーカーが赤字や債務超過に陥り、経営再建を迫られる例も相次いでいるとのことだ。全国的に施主が住宅を建てる意欲そのものが冷え込んでいることも、業界の厳しさを後押ししているという。
 
特に懸念されるのは、建築の途中で会社が倒産した場合の扱いである。原則として未完成の建物の所有権は施主ではなく建築会社側に残り、支払い済みの代金がそのまま戻る保証はないと菅原氏は説明する。進捗に応じた金額を超えて支払っていた場合には差額の請求権が生じるとされるが、それが実際に回収できるかどうかは別問題だという。工事を続けるか解約するかを決めるのも施主本人ではなく、会社の財産を整理する立場の担当者であり、施主が別の会社への引き継ぎを望んでも自由に選べるわけではないという。すでに完成している住宅を購入する場合とは異なるルールが適用される点も、注文住宅特有の難しさとして語られている。それでも住宅ローンの返済義務だけは消えず、未完成の家とローンだけが残されるという厳しい現実があるという。
 
では、こうした事態を避けるために施主が事前にできることは何なのか。住宅完成保証と呼ばれる仕組みへの加入状況や、進捗に応じた支払いプランの組み方、契約書における所有権の扱い、そして会社の決算内容の見極め方まで、菅原氏はいくつかの具体的な視点を示しているという。この保証は会社ごと、さらには物件ごとに加入の有無が分かれる点も見過ごせないとのことだ。
 
マイホームの購入を控えている人や、すでに建築中の物件を持つ人にとって、契約や支払いのどこに注意を払うべきかを考えさせられる内容だ。

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