フランスで迷惑な営業電話が原則禁止に、事前同意がないと違法になる

フランスでは2026年8月11日から、消費者が事前に同意していない電話勧誘が原則として禁止されます。従来は勧誘を拒否する人が自ら登録する方式でしたが、新制度では事業者側が消費者から明確な同意を得たことを証明しなければ電話をかけられなくなります。
Article 13 - LOI n° 2025-594 du 30 juin 2025 contre toutes les fraudes aux aides publiques (1) - Légifrance
Le démarchage téléphonique désormais interdit si vous n’y avez pas consenti | economie.gouv.fr
https://www.economie.gouv.fr/dgccrf/actualites-dgccrf/le-demarchage-telephonique-desormais-interdit-si-vous-ny-avez-pas-consenti
France's new law aims to shield consumers from intrusive calls | AP News
https://apnews.com/article/france-unsolicited-telemarketing-ban-4c946192a1e0d611fd80eacc708aa7da
フランスではこれまで、電話勧誘を受けたくない人が拒否リスト「Bloctel」に登録するオプトアウト方式が採用されていました。しかし、登録後も勧誘電話が続くとの批判があり、政府によると、国民の約4分の3が週に少なくとも1回は望まない営業電話を受けているとのこと。

新制度は2025年6月30日に公布された「公的支援金に対するあらゆる詐欺を取り締まる法律(2025年594号)」に基づくもので、事業者は消費者から事前に、自由意思に基づく明確な同意を得ない限り、直接または第三者を通じて電話をかけられません。また、新制度の導入に伴い、Bloctelは終了します。
同意は電話の目的や事業者の身元を説明した上で、消費者自身の積極的な意思表示によって示される必要があります。あらかじめチェックが入った同意欄や、無反応や沈黙は同意とみなされず、有効期間は最長1年です。消費者はいつでも同意を撤回できます。
事業者が同意を得る目的だけで電話をかけることも禁止されます。また、消費者が通話の継続を拒否した場合は、直ちに電話を終了しなければなりません。事業者は同意を得た証拠を3年間保存する義務も負います。

一方、契約中のサービスに関する連絡や既存の契約を補完する商品やサービスの提案は、同意がなくても例外的に認められます。逆に、住宅の省エネルギー改修、高齢者や障害者向けの住宅改修、職業訓練に関する勧誘は、消費者の同意があっても禁止されます。
同意を得た電話勧誘であっても、土日祝日を除く月曜から金曜の10時〜13時と14時〜20時に限られ、同じ事業者が同じ消費者にかけられる回数は月4回まで。消費者が見積もりなどを依頼した場合は、一定期間内に事業者から連絡できる例外も設けられています。
違反した場合、自然人には最大7万5000ユーロ(約1370万円)、法人には最大37万5000ユーロ(約6830万円)の制裁金が科される可能性があります。高齢者など判断力の弱い立場にある人につけ込んだ場合は、拘禁刑やさらに高額な罰金の対象となります。

規制強化を巡っては、フランス企業の電話業務を多く請け負うモロッコのコールセンター産業への影響も懸念されています。モロッコ政府は最大5万人の雇用が危険にさらされる可能性を指摘していますが、業界団体は「電話勧誘が業界の業務全体に占める割合は15〜20%まで低下している」と説明しています。
フランス政府は、消費者が拒否を申し出る仕組みから、事業者が事前同意を証明する仕組みへ転換することで、迷惑電話や詐欺的な勧誘を減らす方針です。
