授業料無償化で私立高校が人気 県立高校の今後どうする 知事選候補者の考えを聞く 県は統廃合などで高校再編進める【長野】
8月9日に投票日を迎える県知事選挙。
いまの信州が抱える県政の課題をシリーズでお伝えしています。3回目のテーマは「高校教育」。県立高校の在り方を考えます。
長野県千曲市にある屋代高校。7月28日、中学生を対象にした体験入学が行われていました。
中学3年生(男子)
「家から通いやすさとかも結構重視していて、あと自分に合った学力」
中学3年生(女子)
「高校行って、その後、どんな大学とか会社行くかみたいな」
中学3年生(男子)
「楽しく過ごせることですかね」
屋代高校 馬場正一校長
「大学、研究機関等、外部とも連携した高度な専門教育というのも、十分に提供できる環境を整えています」
理系に特化した教育に実績のある屋代高校ですが、志願者にある変化が起きています。
これは、過去7年間の後期選抜の志願倍率です。今年3月の入試で、普通科・理数科ともに1倍を割り込み、志願者が募集定員を下回りました。
馬場正一校長
「理数科については、専門性をしっかりと理解してもらえるように、普通科の生徒については、幅広い選択肢の中で学校生活も充実させながら、自分の進路を考えられるということで、学科とか中学生にどれだけ寄り添えるか、職員間で話しながら伝える内容は考えてきたつもり」
屋代高校では、面接がある前期選抜で募集人数を増やし、より入学意欲の高い生徒を獲得したい考えです。
公立高校の志願者数の減少は県内全体で進んでいます。
後期選抜の志願倍率は、今年3月の入試で、全日制全体が0.89倍と前の年度の0.94倍から大きく下がり、過去20年間で最も低くなりました。
その背景にあるのが、今年度から始まった、国による私立高校の授業料無償化です。
英語教諭
「Our science teacher showed us a fascinating movie.とありますね」
松本市にある私立・松商学園高校です。
昨年度480人だった入学者は今年度、大幅に伸びて618人となり、クラスも前年度から3クラス増えました。
これまで、大きなハードルになっていた授業料が無償化されたことで、子どもたちの選択の幅が広がったといいます。
松商学園 長野雅弘校長
「公立と私立がフラットな状態で選べるようになったのが一番です。(生徒が)自分で自由に選択した結果だと思います」
屋代高校と同じ「スーパーサイエンスハイスクール」として、県内の私立高校で唯一、指定を受けています。
特進コース1年(男子)
「まず、交通として近くにイオンがあったり、駅が近かったり、実際、僕の家も近くて通いやすい学校だったというのが一つ」
特進コース1年(女子)
「スポーツも勉強も両立してできるというところが、すごくいいなと思ったのと、SSHの探究活動があって、そこで個人的な研究とか進められたらなと思って入ってきました」
長野雅弘校長
「(生徒の入学後の)選択の幅を広げるために、ノーベル賞候補者をはじめとして、いろいろな人たちに来ていただいて、生徒たちにさまざまな触発をしていただいています」
一方、県立高校は、少子化が進む中で、統廃合など再編が進められています。
現在は、再編計画の第2期の途中で、今年度の時点で77校ある県立高校は、2030年までに64校に統廃合する計画です。
県教育委員会は再編を進めながら、県立高校の魅力づくりを進めていくとしています。
高校教育の在り方について、知事選候補者の考えは?
阿部守一さん(無所属・現)
「県立高校、もっともっと特色化をすることによって、こういう学びをしたい、こういう雰囲気の学校に私は進学したい、そういうふうに中学生段階から高校の個性や特色をしっかり理解した上で、選んでいただけるような高校を作っていく。そのことが高校に入った人たちが、次の自分たちの未来に向けて、より充実した学びを行うことにつながるというふうに思っています」
武田良介さん(無所属・新)
「やっぱり、子どもたちを第一に考えているかどうかです。とにかく特色を出せということは、行政としてはあってはならない姿勢だというふうに思います。特色を出すというよりも、教育を受ける権利を保障する、彼らの権利を最大限保障して、どの地域に住んでも、等しく教育を受けられるようにする。現場を応援するということが、何より大事だというふうに思います」
長野県知事選挙の投開票は、8月9日(日)です。

