現代の化粧品開発者が、革命前夜の18世紀フランスにタイムスリップ!? 美容の知識を武器にヴェルサイユ宮廷で活躍する理系女子の歴史ロマンス【書評】

【漫画】本編を読む
『ラ・マキユーズ〜ヴェルサイユの化粧師〜』(みやのはる:漫画、堀江宏樹:原案・監修、なつなつ@研究職:化粧品監修/KADOKAWA)は、現代日本の化粧品開発者が18世紀フランスへタイムスリップし、美と権力が渦巻くヴェルサイユ宮廷で奮闘する歴史ロマンスである。華やかな宮廷文化と本格的な歴史考証が魅力の人気シリーズだ。
主人公・琉花は、化粧品会社の開発部で働くアラサー女性。仕事では成果を上げながらも恋愛には奥手な彼女は、フランス出張中に不思議な場所へ迷い込み、気がつくと18世紀ブルボン王朝時代のフランスにいた。そこで自称天才髪結い師のレオナール・オーティエと出会う。華やかな宮廷文化が花開く一方で、革命の足音も近づきつつある時代。琉花は現代で培った知識を武器に、その激動の世界へ飛び込んでいく。
さらに、琉花とレオナールの関係も大きな見どころである。仕事への情熱を持つ琉花と、美を追求するレオナール。価値観の異なるふたりが互いに刺激を受けながら成長していく姿は、歴史ドラマでありながら王道ロマンスとしての魅力も備えている。
美しく華やかな宮廷文化の裏側で、人々は何を思い、どのように生きたのか。本作は歴史ロマンとタイムスリップ、そして仕事に情熱を注ぐ女性の成長物語だ。そしてその世界は、最新作『エリザベート〜神の手を持つ王女〜』(みやのはる:漫画、堀江宏樹:原案・監修/KADOKAWA)へとつながっていく。こちらは王族の視点から同時代を描いた物語だ。両作品をあわせて読むことで、18世紀フランスという激動の時代をより立体的に楽しむことができるだろう。
文=七井レコア
