奈良の2遺体遺棄、交際女性の失踪直後に警察が容疑者に接触も捜査に至らず…遺体はほぼ白骨化
奈良市の山中で母娘とみられる女性2人の遺体が遺棄された事件で、同市法蓮町、会社員今北享宏容疑者(37)が死体遺棄容疑で逮捕されてから27日で10日となる。
三重県警は2月9日から15日までの間に遺棄され、今北容疑者が2人が死亡した経緯も知っているとみて、調べている。
シートにくるまれ
遺棄されたのは、今北容疑者の交際相手の女性(44)。もう一人は娘の女子大学生(20)とみて、県警が身元の確認を進めている。
2人は奈良市月ヶ瀬嵩の山中で、脇の県道から約5メートル下の名張川左岸の草むらにそれぞれ緑色のシートにくるまれ、横たわった状態で見つかった。県警の司法解剖の結果、ほぼ白骨化し、死因は特定できなかった。
女性に対する死体遺棄容疑で逮捕、送検された今北容疑者は「自分の車を使って2人の遺体を運んだ。1人で遺棄した」と容疑を認めているという。
失踪直後に接触
三重県警によると、女性は娘と2人暮らし。今北容疑者は女性宅に出入りしており、2月9日には3人で外出していたことが確認されている。
3日前の6日には、女性から「駐車場の車内をのぞき込んでいる男がいる」と110番があったほか、翌7日に、女性宅の玄関先で、今北容疑者から「彼女が液体をかけられた」という110番があった。この二つの事案と死体遺棄事件との関連は不明だが、女性は液体をかけられたはずみで転倒し、頭にけがを負ったため、10日に伊賀署に被害届を提出することになっていた。
しかし、女性は来署せず、連絡が取れなくなる。同日、伊賀署の刑事課員が女性の自宅を訪れたところ、周辺で偶然今北容疑者と会い、女性の行方を尋ねると「自分も連絡がつかない」と答えたという。
本格捜査まで3か月
県警は女性と連絡が取れなかったが、近隣住民から「親戚の家に行っている」「入院している」などの情報が寄せられ、一時的に自宅を離れていると判断。捜査には至らなかった。
4月に入ると、娘が通う大学から「通学していない」と連絡があり、伊賀署生活安全課員が対応。しかし、刑事課と生活安全課との間で情報共有がなされず、ここでも捜査に至らなかった。
事態が動いたのは5月に、伊賀市役所から同署に女性の安否確認の要請があったことだった。2人ともいなくなっていることが判明し、同月21日に同署に特別捜査本部を設置。7月14日から今北容疑者の任意聴取を始め、16日に遺棄を認めた。17日には今北容疑者の説明通り、遺体が見つかった。今後は今北容疑者が2人の死亡に関与していたかどうかが焦点となる。
