[7.19 W杯決勝 スペイン 1-0(延長) アルゼンチン ニューヨーク]

 厳しい批判の先にW杯優勝を決めるゴールが待っていた。

 W杯決勝に臨んだスペイン代表は一方的優勢のまま0-0で迎えた延長後半1分、右からのクロスで10人の相手を攻め立てると、最後はFWニコラス・ウィリアムスの折り返しにFWフェラン・トーレス(バルセロナ)が反応。ボレーシュートをゴールに突き刺し、決勝点で16年ぶりの世界一を手繰り寄せた。

 F・トーレスは今大会、初戦カーボベルデ戦に先発出場したが、チームは0-0のドロー発進。その後は全試合ベンチスタートとなっていた。どの試合でも途中出場でプレータイムを与えられるものの、これまでの得点への関与はラウンド16ポルトガル戦の決勝アシストのみ。ファンからは批判の声も少なくなかったようだ。

 だからこそ、この決勝点には「とても解放された気分になった」というF・トーレス。「僕はW杯期間中、大会を通じて常に批判されてきた人間だと思う。でも運命はあらかじめ決まっている。神はいつも自分に前進し続ける力を与えてくれる。神は最もふさわしい者に与えてくれるんだ」と大仕事を誇った。

 さらにF・トーレスは自身の活躍について「最終的には4700万人の人々によるものだった」と応援してくれたスペイン国民に感謝。その上で「個人的には厳しいW杯だったし、批判があることはみんなわかっているので、受け入れていかないといけない。ただ神に両手を差し伸べ、神が力を与えてくれたんだ」と信仰心をのぞかせながら喜んだ。

 なお、スペイン代表は2010年のW杯初優勝時も延長戦に1-0で勝利しており、当時のヒーローは日本でもプレーしていたMFアンドレス・イニエスタ。F・トーレスは「イニエスタのゴールもそうだったけど、今日は僕たちの番だった」とバルセロナで育った偉大な先輩に重なる活躍に胸を張った。

(取材・文 竹内達也)