中国の国旗

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 フィリピン最北端バタネス州のバタン諸島について、中国の学者らが「中国領だ」との主張を展開している。

 日比両国が進める海洋境界画定に向けた交渉をけん制した動きとみられる。比側は中国による新たな現状変更の試みと捉えて警戒を強めている。

 バタン諸島は台湾フィリピンの間にあるバシー海峡に近い戦略的要衝だ。バシー海峡は中国軍の空母打撃群などが西太平洋に進出する際の重要航路の一つで、台湾有事の際に周辺海域が封鎖されるとの観測もある。フィリピンは軍施設の増設など、バタネス州の防衛力向上を図っている。

 香港紙・明報などによると、中国広東省の大学で6月30日、国際法や海洋史の学者が参加したシンポジウムが開催された。中国共産党機関紙傘下の環球時報は今月11日、このシンポジウムについて報じ、「バタン諸島は台湾の地理的延長にあり、中国に属する」とする学者の一方的な見解をほぼ1ページを割いて掲載した。

 日比両国は5月、台湾東方沖を含む海域で、排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の境界画定に向けた交渉の開始で合意した。中国は、台湾東方の海域に自国の大陸棚とEEZを有するとの立場で、日比の境界画定に反発している。シンポジウムは、この合意を問題視して開かれたという。

 ギルベルト・テオドロ比国防相は今月9日、中国側の主張について、「根拠が全くなく、滑稽極まりない」と一蹴(いっしゅう)。「中国が太平洋全域を支配する計画を立てていることを裏付けるものだ」と激しく反発した。

 比外務省も9日の声明で、「根拠のない空想にはわざわざ返答する価値はない」とし、バタン諸島に対する主権の正当性を強調した。(中国総局 吉永亜希子、ハノイ支局 竹内駿平)