日本代表では背番号3をつける中山【写真:羽鳥慶太】

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大学でも投打で主力の異色選手…進学当初は「不安があった」

 大谷翔平投手(ドジャース)が、プロのレベルでも投打の二刀流が可能だと証明して以降、アマチュア球界にもこのスタイルで上を目指そうとする選手が現れている。大学日本代表に選出された中山優月内野手(大商大3年)もその一人だ。11日から台湾で行われる新設の国際大会でも、マルチな活躍を期待されている。いったいどんな選手なのか。

 中山は智弁学園高(奈良)時代から投打の兼任で頭角を現した。3年生だった2023年夏の甲子園では「3番・遊撃」が定位置で、試合終盤にはリリーフでマウンドに立った。その後高校日本代表入りし、台湾で行われたU-18ワールドカップでは三塁を守ってクリーンアップを打つ一方、パナマ戦に先発登板。3回を2安打無失点に抑えてもいる。

 それでも、大商大への進学時には「不安がありました」と正直な心情を漏らす。上のレベルに進めば進むほど、役割分担は細かくなる。まして大学は指名打者制だ。ここでも二刀流を続けられるのかと思っていた時、富山陽一監督から「両方やってこそ、お前やぞ」と声をかけられた。この言葉に大きく背中を押されたという。

「大学では、どちらも中途半端にならないように考えてやってきました。常に最悪の状況を考えてから練習するようになって、積み上げてきたつもりです」

 自身の強みを「どのポジションでも、一定以上のレベルでやれる自信があります」と表現する。現在は二塁が中心となっているが、入学以降捕手以外のすべてのポジションを守ってきた。投手としても、先発でも、リリーフでも投げた。

 野手としての出場からマウンドに上がることも、その逆もある。既に疲れている状況でどうやって思うように体を動かすかは大きな課題だった。野手としての練習を終えてからブルペン投球を行うなど、普段から工夫を続けている部分だ。やっていけるという手応えを感じるようになったのは「本当に最近ですよ」。二刀流として大学日本代表に呼ばれたのも、大きな自信となった。

投打両方こなし「チームのために」大きな戦力になる二刀流

 大学日本代表は、11日から台湾で行われる新設大会「ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ」に参加する。米国と台湾、韓国の同年代とぶつかる。米国と韓国は大学代表、台湾にはプロの若手選手も加わり、格好の腕試しの場だ。

 中山は内野手として登録され、日本出発前に行われた東芝との練習試合では本塁打も放った。ただ鈴木英之監督は「5連戦と日程が過密で、かなりハードな大会になると思う。中山君は投手としても起用するつもりで選んでいます」と、最速152キロ右腕でもある中山の起用法は、大会を勝ち進む上でのポイントになると考えている。

 今年4月、大リーグで複数球団を巻き込んだ議論が起きた。ベンチ入りが13人に制限されている中で、ドジャースだけは二刀流登録の大谷を投手として起用できる。実質的な14人目の投手で、これは不公平ではないのかが論点となった。

 カブスのクレイグ・カウンセル監督らが「特定の1チームだけが恩恵を受けており奇妙だ」と発言。これにドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「チームに有利に働いているのは確かだが、他球団も二刀流の選手を見つけてくれば同じ恩恵を受けられる」と反論した。これは大学代表でも同じだ。中山が投打の両方でプレーすることで、戦力に厚みを与えられるのだ。

 中山はいずれ、プロ野球に進みたいと考えている。そのためにも「このスタイルをやめるつもりはありません。チームのために両方やれることを評価してもらえているので」と二刀流のレベルアップに心を砕く。「野手と投手は別だと考えているんです。打てる二遊間でもあり、どんな場面でもマウンドに上がれる投手でいられるようにしたい」。究極のマルチプレイヤーは今後、どんな成長曲線を描いていくだろうか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)