ローソン新業態の小型スーパー「Lミニマート」に王者「まいばすけっと」の厚い壁
ローソンは5月以降、新業態の小型スーパー「Lミニマート」を展開している。5月28日に東京都小平市で1号店を出店し、6月は板橋区と神奈川県平塚市に各1店舗を出店した。首都圏における単身世帯や共働き世帯の増加を背景に、「短時間で必要な分だけ購入したい」ニーズに応える狙いだ。
1号店の小平仲町店は、小平駅から徒歩10分の青梅街道に面する。精肉・青果などの生鮮品を販売し、加工食品や冷凍食品を充実させた。価格帯は通常のスーパー並みだ。たばこは販売するが、通常のコンビニより弁当やサンドイッチなどの日配食品(毎日配送される賞味期限の短い食品)は少ない。ATMは設置している。
これまでの3店舗はいずれも「ローソンストア100」(通称.100円ローソン)からの業態転換だ。100円ローソンは2005年に均一ショップとして開業。09年に「SHOP99」の運営会社を子会社化し、業態転換を進めて拡大した。12年のピーク時には1200店舗を超えたが、不採算店の閉店を続け、5月末時点で524店舗に半減している。
「100円ローソンは均一価格を売りにしていたが、配送費や原材料費の高騰による値上げで文字通りの100円商品が少なくなり、店名との乖離で安い印象が薄れた。食品スーパーに対する価格優位性も失われ、客離れが進んだ。狭く、薄暗い店舗が多いこともイメージの低下をもたらした」(小売業界関係者)
「まいばすけっと」の店舗数は1300超
既存店客数は23年5月以降、前年度を下回る状態が続いており、好調なローソン事業とは対照的だ。ある店舗では飲料やおにぎりをコンビニ並みの価格で販売し、100円商品は小分けの野菜やPBのお菓子などわずかしかない。今回のLミニマートは起死回生の一手とみられる。
だが、小型スーパー業態にはイオンが展開する「まいばすけっと」という強敵がいる。05年に誕生した同店は、住宅街やオフィス街などの隙間立地を確保。現在の店舗数は1300を超え、目標の2500店舗に向けて攻勢を続ける。
「まいばすはPB(プライベートブランド)で展開する『トップバリュ』の安さが強み。イオンの仕入れ力を生かした業態で、飲料やパン、弁当類もコンビニより安い。直営方式のため本部主導で急速に店舗数を増やせた。比較的PBが少なく、FC(加盟店営業方式)展開のコンビニ業界にとって小型スーパーは一筋縄ではいかない業態だ」(同)
現状のLミニマートの加工食品はメーカー品が中心だ。業態転換で増やす場合、既存のFCオーナーを納得させる必要もある。新業態店の拡大は一朝一夕にはいかないだろう。
(山口伸/ライター)
