エースとして全4試合に先発した日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)が、ブラジル戦(●1-2)翌日にヒューストンのチーム宿舎で報道陣の取材に応じ、「終わってしまったなという喪失感が一番あって、終わってしまったことは理解しつつ、実感がないという感じ」と、一夜明けた心境を語った。

「本気で優勝できるチームと全員が思っていたし、ブラジルに負けたけど、あと一歩のところまで行けている感覚はあった」。わずか45分間の出場に終わったカタールW杯から3年半。今大会は1トップとして全4試合に先発し、グループリーグ第2戦のチュニジア戦(○4-0)では自身W杯初ゴールを含む2得点を記録した。

 ブラジル戦もフル出場し、DFガブリエル・マガリャンイス、DFマルキーニョスという世界屈指のセンターバックを相手に前線で体を張り、巧みなポストプレーで起点になるシーンも作った。「個人的には成長を実感できる試合にはなったと思っている。90分戦えるフィジカル、試合終盤でもああいうセンターバックを相手にネガティブな競り合いにならない手応えはあった」。だからこそ、「これ以上に成長しないといけないと思ったし、この4年間でこれだけ実感できたからこそ、成長できるとも感じた」という思いになれた。

 具体的に何を成長させていきたいか。そう問われた上田は「できるかは別として」と前置きしたうえで、「アタッカーとして一人で打開できる圧倒的な個が、優勝するには必要。一体感は日本の武器だけど、一人で完結する力が世界のトップにはあるし、僕自身足りないところ」と言い切る。

「自分が収めてというシーンはあったけど、ああいう試合展開でも一人でゴールをこじ開ける力が必要。それがブラジルにはあったし、世界トップトップのストライカーにはある。格上と戦って勝っていくには、圧倒的な個が必要だし、僕自身と日本サッカーには必要だと思う」と強調していた。

(取材・文 西山紘平)