「青い鯉のぼり」燃やし物議 常田大希主宰ミレパ、ジャケ担当者が長文声明「弔いのイメージだった」
ロックバンド「King Gnu」のボーカル・ギターである常田大希(34)が主宰する音楽プロジェクト「MILLENNIUM PARADE」は23日、7月8日に配信リリース予定の新曲「Blue」のジャケットアートワークを差し替えた。東日本大震災の犠牲者追悼事業として知られる「青い鯉のぼりプロジェクト」を連想させるとの指摘が相次いでいたため。デザインを手掛けた森洸大が謝罪し、意図を説明した。
当初公開されたアートワークには、炎に包まれた青い鯉のぼりが描かれていた。これに対し、震災復興への祈りを象徴する青い鯉のぼりとの関連性を指摘する意見が広がっていた。
企画・アートディレクション・デザインを担当した森洸大氏は、長文の声明を発表。「本作の企画・アートディレクション・デザインを担当したのは僕です。自分の方からきちんと制作の意図や経緯の説明と、自分の思いをお伝えしないといけないと思ったので、長文になってしまいますが書き記しておきます」と書き出し、「正直に申し上げますと勉強不足で本当に情けないですが僕は『青い鯉のぼりプロジェクト』と、青い鯉のぼりに託されてきた追悼の思いについて知りませんでした」と、自身の認識不足を認めた上で、「今回の表現によって、震災の記憶を持つ方々や、青い鯉のぼりに思いを重ねてきた方々を傷つけてしまったことは本当に申し訳なく思っています」と謝罪した。
一方で作品に込めた思いについても説明。「僕にとっては『燃やす』という行為には、何かを破壊するという意味だけではなく火葬やお焚き上げなどのような良き日本文化としてのイメージ、『姿形を消して空へ送り、失われたものを想いとして自分の中に残す』といった弔いのイメージを持っていました」という。「この一枚絵では、大人になるにつれて失われていく青春や童心への執着を静かに燃やし、その喪失を受け入れることで、もう一度前を向いていく物語を描こうとしていました」と意図を明かした。
「それが自分や仲間、あるいは誰かにとって、ほんの小さな希望にでもなればという思いで制作したものです。子どもたちやご家族、鯉のぼりに託された祈りを傷つけること、震災や追悼の思いを踏み欄ること、あるいは誰かの深い傷を意図的に刺激するような『ただだ尖ったクリエイティヴを打ち出す』ことを目的とした表現では、決してありませんでした」と主張した。
「作品に込めた意図を汲み取った、否定的な意味には受け取らなかった、差し替えないでほしいという声も届いていることもまた事実」といい「そういった受け止めをしてくれた方々の声を蔑ろにすることも僕は違うと思っています。そして誤解を恐れず正直に申し上げれば、作品が一つの意味だけに固定され、悪意を持って作られた表現であるかのように断定されたこと、また取り下げという事態にまで至ったこと、自分自身も悔しさ悲しさやるせなさ、あらゆる感情に溢れ未だ動揺しています」と胸中を打ち明けた。
「謝罪したい気持ちも心からの本物ですが、謝るために作品に込めた思いや自分の気持ちまで偽ることも出来ないというこれも本当の身勝手な気持ちです」と吐露。「それでも、青い鯉のぼりが大きな出来事の大切な祈りや記憶を背負っていることを知らずに制作した結果として傷ついた方がいることは、重く受け止めなければいけないと思ってます。傷ついた方々の声を軽く扱うことも、作品に込めた意図まで偽って否定することも、肯定的な意見をくれた方への感謝と敬意を払わないのも、どれもしてはいけないというのが、表現をする者としての今の自分の正直な気持ちです。今回の取り下げは、モチーフが特つ重い背景を知らないまま公にしたことにより、意図していない方向への刺激的な表現になってしまったことへの責任としての判断と考えています」とした。
森氏は最後に「今回のことを忘れず、これからの制作の姿勢と仕事を通して向き合い続け、いい物を作り届けられるよう、捻じ曲がらぬようしっかり精進していきます」と結び、改めて謝罪した。

