この記事をまとめると

■BMWは「ビジョン・ノイエクラッセ」シリーズの新型車を相次いで発表している

■「ノイエクラッセ」の第3弾モデルが国内テストされている現場に遭遇した

■車格や出まわっている情報から推測して電動モデルのX5「iX5」と予想できる

人気のSUVがついにフルモデルチェンジ目前

 BMWが2023年のジャパンモビリティショーに展示したコンセプトカー、「ビジョン・ノイエクラッセ」。「ノイエクラッセ」とは、同社における1962年から1970年代初めまでに販売された中型車の総称として、ビマー(BMWファンを指す造語)たちからも認知されている。なお、ドイツ語で「ノイエクラッセ」とは「新しいクラス」を意味する。

 よって、この「ビジョン・ノイエクラッセ」は、「現代における新時代を描くクルマ」といった意味合いをもつ、チャレンジングなコンセプトモデルであった。その背景には、世界中で進む電動化を当時は見据えていたと思われる。なお、発表当時は「市販化を前提としたデザインだ」というアナウンスもされており、突飛なコンセプトカーで終わらないことが予言されていたと記憶している。

 その後「ビジョン・ノイエクラッセ」はどうなったかというと、時は進み2025年、ノイエクラッセ第1弾モデルとして、ついにiX3という電動SUVで具現化。釣り上がったアイラインが特徴的なヘッドライト、鋭い牙のようなデザインが個性的なデイライトなど、「ビジョン・ノイエクラッセ」の特徴をうまく反映した1台になった。

 さらに2026年には、より「ビジョン・ノイエクラッセ」の特徴を受け継いだi3という電動セダンも発表された。iX3と同様に特徴的なヘッドライトを装備しつつ、幅広なキドニーグリルは、コンセプトカーの要素がそのまま反映されている。

 また、先日は新型M3ともいわれている電動スポーツモデル、「Mコンセプト ノイエクラッセ」も発表された。ちなみにi3という名称は、かつてレンジエクステンダーを備えた電動モデルでも使われていたが、今回は3シリーズ相当のセダンとしてラインアップ。日本でも2027年からの販売を予定しているという。

 着々と「ビジョン・ノイエクラッセ」のテイストを受け継ぐモデルを設定しているBMWだが、ここに来て第3弾とも呼べる待望の新モデルの登場が早くも明らかになりそうだ。

ついに出るか新型X5!

 それが、先日とあるパーキングエリアで見つけたこのクルマ。テストカーなのでボディラインなどが見えづらくなるようにカモフラージュされているが、それがかえって注目を浴びるという定番の仕様で異彩を放つ。たとえクルマに興味がなくとも、嫌でも目がいってしまうだろう。しかもこのクルマ、ご丁寧にバックドアにデカデカと「BMW」などと書かれており、隠す気は皆無である。なお余談であるが、とある欧州メーカーは日本導入前のテストカーはかえって目立つとのことで、あえて偽装しないそうだ。余程の好き者以外には偽装しないほうが注目を浴びずにバレないから都合がいいとか。

 なのでこのSUV、まずBMWであるということは確定だ。そしてそのサイズ感だが、日本車と比べれば大きいものの、巨大でもなければもちろん小さくもないミドル程度のサイズ感。むしろ海外基準ではこれが標準サイズ。さらにバックドアには「Electric Test Vehicle」と書かれており、充電リッド(給油口に相当する蓋)がひとつ(右後ろ)だけ、マフラーも見当たらなかったので、こうした条件からBEVの可能性が濃厚だ。これらの情報を整理すると、新型のX5相当のBEVという推測がたつ。

 さらに、このテストカーとほとんど同じと思われるテスト車両が海外でも目撃されており、「次期型X5」として紹介されていることも、その裏付けとなる。BEVであれば、車名は「iX5」ということになるだろう。

 そして特徴的なのは、このフロント部分のデザインだ。「ビジョン・ノイエクラッセ」第1弾のiX3や第2弾のi3とそっくりなのである。鋭いアイラインや横に幅広いキドニーグリルはまさに先の2台の特徴をそのまま受け継いでいる。X5は現行型で「ガソリン」「ディーゼル」「PHEV」をラインアップし、水素を使用する「FCEV」もトヨタと協業という形でテストカーが発表されている。よって、ほぼすべてのパワーソースを取り揃えているオールラウンダーなところも、このX5の武器だ。

 なお、このテストカーはパーキングエリアに停めると、早々にボディカバーをかけ、スタッフは休憩へ。パーキングエリアにボディカバーが掛かったクルマがあるということで、明らかに異様な雰囲気であったが、なかなか厳重にガードされていた。回送ナンバーでもなかったので、登録から車検までが済んでいると思われる。

 さすがにインタビューも難しければ、車内を覗き込むことも不可能であったが、遠目に見たところ、車内にはさまざまな計測機器が取り付けられていたほか、ステアリング位置は右ハンドルであったことが確認できた。

 海外メーカーの車両が正規で登録をしてナンバーを取得し、公道を走っているということは、外装をカモフラージュしつつも、発表目前とみていいだろう。ノイエクラッセ第3弾モデルの登場(国内発表)は、2026年中と考えてもよさそうだ。

 現行型のX5は2019年に登場しているだけに、本モデルがフルモデルチェンジ板であることはほぼ確実。いったいどんなトピックを投入してくるのか、7年分の進化がいまから楽しみな1台だ。