大谷翔平 新魔球「レインボーカーブ」の威力 いよいよ投手としても本領発揮！
ニュースタイルは『完全復活』を意味する
二刀流として、ついに完全復活を果たしたドジャースの大谷翔平（31）。しかし、そのピッチングにある″異変″が起こっている。
「749日ぶりに白星を挙げた8月28日（日本時間）、大谷が投じた全87球のうち、実に23球がカーブだったんです。9月6日の登板時も、直球の次にカーブが多かった。それまで、投手・大谷の武器といえば曲がり幅の大きいスイーパー、鋭く落ちるスプリットでしたから、モデルチェンジと言えるでしょう」（現地記者）
8月28日は５回を投げてわずか１失点、9月6日は３回と３分の２を投げて無失点だったことからも、カーブを主体としたニュースタイルは効果的であることが窺（うかが）える。100マイル（約161.１�辧殖茵砲鯆兇┐襯好肇譟璽箸鯏蠅検▲好ぁ璽僉爾痢蹈茱格儔宗蹇△修靴謄好廛螢奪箸痢蹈織栃儔宗蹐蚤納圓鯊任措茲辰討�た大谷だからこそ、ストレートと30�辧殖莪幣紊竜綢�差のある″ナナメ変化″のカーブが効（き）いてくるのだ。大きく割れ、緩急をつけることもできる新魔球「レインボーカーブ」について、元メジャーリーガーで野球解説者の藪恵壹氏が話す。
「大谷は初勝利時の会見で、『カーブとスプリットは最後の段階』と説明していました。そのカーブを２試合連続で多投したということは、リハビリの終了、そして投手としての完全復活を意味します。驚くべきは、そのカーブの球質の進化です。リハビリ前の大谷のカーブは、あくまでカウント球という位置づけのボールでした。ところが最近の大谷は、カーブを決め球に使っている。これは、曲がりの大きさや球威が上がっているからです」
大谷と同じドジャースに所属するクレイトン・カーショウ（37）、そして現エースの山本由伸（27）は、二人とも大きく割れるカーブを武器にしている投手だ。リハビリ時にさらなる変化を求め、大谷が彼らからアドバイスを受けた可能性も考えられる。
「大谷は非常にクレバーな投手なので、打者のスイング軌道を見ながらピッチングを組み立てています。自らピッチコム（投手と捕手の間でサインを電子的に伝達するための機器）でサインを出しているのがその証拠です。この投球術を最大限に活かすためには、投球の幅を広げていくことが重要。そんななかで、山本やカーショウに見劣りしないカーブを、新たなウィニングショットにまで高めていった。ケガから復活しただけでなく、新たな進化を見せてくれたんです」（同前）
これからの大谷は、打者の反応によって直球主体、スプリット主体、スイーパー主体、カーブ主体など試合ごとにピッチングスタイルを変え、支配的な投球を見せてくれるかもしれない。
「この変幻自在な投球術がハマれば、ポストシーズンでの活躍、そして来シーズンのサイ・ヤング賞受賞の可能性は充分に高まります」（同前）
９月８日には続けざまに47、48号を放つなど、打者としても絶好調。新たな伝家の宝刀″レインボーカーブ″を携え、２年連続の世界一に邁進する――。
『FRIDAY』2025年9月26日号より
