【ヤマトよ永遠に REBEL3199】上村祐翔と畠中祐が満を持して演じた過去の因縁
――上村さんは『3199』からシリーズ参戦となります。出演が決まったときの気持ちを教えてください。
上村 まさか自分が『ヤマト』のキャラクターに声を吹き込む機会があるなんて想像もしていなかったんです。恐れ多いなって思いつつ、揚羽武という役を託されたからにはフレッシュに、とにかく思いっきりぶつかっていこうと考えました。
――揚羽武というキャラクターについて教えてください。
上村 揚羽は新編成されたヤマト航空隊のパイロットです。総監督の福井(晴敏)さんからは最初に、本音を表に出さずに斜に構えてしまう部分があって、過去の出来事が原因で親友と呼べるほどの仲だった土門との関係が、いまもギクシャクしているキャラクターだと聞かされていました。大企業の御曹司で、周りと違うカリスマ的な雰囲気を持っていたりもするんですが、演じていくうちに自分と近しい存在だと分かってきて。だんだん彼のことを「可愛らしいな」と思えるようになっていきました。
――畠中さんは上村さん演じる揚羽についてどんな印象をお持ちですか?
畠中 とっても繊細ですよね。細やかな心の動きが芝居で表現されていて、揚羽のことが「可愛く見えてくる」というのは僕もわかる気がします。しっかりと芯が通っているキャラクターとして演じてくれていますので、土門と揚羽の掛け合いのときは「もっと違う言い方があるだろ!」と思いながらも、同時に「言っていることはわかる!」という納得感がありました。そこは上村さんが演じているからこそだと思います。
上村 でも、ひと言目にいきなり土門に「バカじゃないの?」とか言うのはないよね(笑)
畠中 しかも、みんなの前だからね(笑)。忠告するにしても「ごめん、気になるところがあるんだけど、ちょっといいかな?」と裏に呼び出してもよかったと思うんだけど(笑)。でも土門に見せたような不器用なところも揚羽の魅力のひとつだと思っています。
――畠中さん演じる土門についても教えてください。
畠中 『2205』から戦術科の乗組員として登場していた土門ですが、この『3199』では古代艦長に代わってヤマトの戦術科戦術長を拝命しています。性格的には自分の想いに真っ直ぐ邁進するあまりに、周りがよく見えなくなるタイプのキャラクターですね。古代艦長を尊敬しているんですけど、いろいろあって、今はその信頼感が揺らいでいる状態になっていまして。この第三章ではすごくイライラしながら演じています(笑)
上村 土門は思ったことをストレートに言っちゃう人ですから(笑)。きつく聞こえちゃうかもしれないけど、彼の言葉や態度には裏が全然ないんですよ。言うべきことは言うみたいなガッツをちゃんと見せてくれるし、祐くんの演技も相まって見ていて気持ちのいいキャラクターだと思います。
「気兼ねなく自由に演じて」と言われた揚羽の演技
――おふたりの掛け合いで収録したシーンはありましたか?
畠中 何回かやらせてもらっています。最初の方は別々だったんですけど、最後の方の重要なシーンにかけては一緒に収録しました。
上村 第二章では一緒に収録ができなかったので、今回やっと繋がることができました(笑)。本当によかったです。
――収録現場でのディレクションで印象に残ったことなどあれば教えてください。
上村 揚羽に関しては福井さんから「ヤマトは歴史ある作品でヘビーな印象もあるかもしれないけれども、気兼ねなく自由に演じてみてください」と言われまして。その言葉はすごく支えになりました。
畠中 僕は「一番若いんだから」と言われました(笑)。なので、ディレクションでは「ちょっと落ち着きすぎているよね」とか「もっと、いっちゃっていいよ」とか、そんな指摘が多かったです。もどかしいシーンで、きちんと「もどかしいよ」と視聴者の皆さんが思ってることを代弁できるのが土門だと思うんです。そんなこともあって「前のめりにいきなさい」と言われながら演じていった感じですね。
――古代進役の小野大輔さんと収録した感想はいかがでしたか?
上村 最初に一緒に収録させていただいたのが、この第三章の中のワンシーンだったんです。収録自体はテンポよく進んでいったんですが、小野さんの「サーシャ……」というセリフを隣で聞いたときに、本当に苦しそうに感じられて。このひと言のために詳細なディスカッションを福井さんとされている姿に驚きましたし、「こんな風にキャストの皆さんは全身全霊で取り組まれているんだな」ということを収録に臨む姿勢で見せていただきました。自分もそこに乗っかれるように頑張らなきゃなと改めて思いました。
畠中 僕は一緒に収録することが多くて、主砲を発射するときの「撃てーっ!」の言い方とかを細かく教えてもらいました(笑)。古代艦長から土門へと脈々と若い世代に受け継がれていく流れって、すごくドラマチックだなと思いますし、一緒に掛け合っていく中でも「あ、こういうことだったのか」「こういう解釈だったのか」と発見できることもすごく多かったりして。小野さんが演じる古代艦長を相手にしているからこそできるお芝居の醍醐味みたいなことを感じる瞬間を味合わせてもらっています。
「いよいよ来たか」と思った揚羽と土門の過去
――第三章のストーリーについて、ふたりが注目しているポイントを教えてください。
上村 揚羽と土門のしっかりとした掛け合いというか、気持ちの通じるシーンが出てくることは台本をもらったときから聞いていましたので、「いよいよ来たか」と思いました。これまではツンとしてあまり心を開かない揚羽がベースにあって。毎回収録の前に「今回はこういうお話で、揚羽の気持ちとしてはこんな感じです」と大枠を福井さんが説明してくださるのですが、「まだツンケンしています」「まだ心は開きません」と説明されることが多かったんです(笑)。でも第三章を収録するにあたって「いよいよここで、ちょっと弱い部分も見せます」と言われ、僕も覚悟を決めて「ここはもう思いっきりやれるところをやってみよう!」という意気込みで演じさせてもらいました。
畠中 僕も揚羽と土門に何があったのか気になっていたんです。ふたりの過去がこの第三章で明らかになったことで、これからお互いの関係がどうなっていくのか、その行く末を見届けたい思いが強くなりました。あと注目するべきポイントというと人類とデザリアムの運命についてですかね。「デザリアムが信用できるのか?」「彼らが本当に未来の僕たちなのか?」という巨大な命題があって、その謎に翻弄される人類がこの第三章でも描かれていくことになりますので。
上村 ずっと綱渡りみたいな感じでしたよね。「信用できそう?」「いや、やっぱりダメだ」の繰り返しというか、どっちに転ぶか分からないような緊張感がずっとありました。
畠中 そうなんですよ。その謎を暴くための作戦が展開されるんですが、僕からすると超難しいことをしていて、映像を見て納得するシーンもあったりして、そんな頭脳戦みたいなところも楽しみにしてほしいと思います。
――本作で注目してほしいキャラクターを教えてください。
上村 第三章では地球とデザリアムの共生もテーマになっている気がしていて。入植してきたデザリアム人の少女フルールと地球人である(加藤)翼くんの、子供たちのなんとも言えない小学校でのやり取りがすごく印象的でした。子供同士の関係に、ある種の残酷さと、わかり合える早さの素晴らしさみたいなことが描かれていて。「両者の関係をその角度でも描くんだ」というのは、見ていて興味深かったりしました。
畠中 僕はアルフォンやイジドールがすごく気になっていて。地球にとって悪であるはずの彼らが、全然そういう風には見えないんですよ。敵なのか味方なのか「あなたたちはどっちなんだ?」ってことがさらに謎めいた感じがしています。あと個人的に細かいポイントでアレなんですけど、イジドールが部屋を掃除しているときに、スティックタイプじゃなくて昔ながらのコード付き掃除機を使っているんですよ。それを見たとき「オカンの家にあるヤツだ!」と思って(笑)。そんなイジドールのこだわりというか個性みたいなのを感じられたのは面白かったです。
――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
上村 壮絶な戦いの中で一人ひとりのドラマをとても丁寧に、すごく大事に描いてくれているので、僕としても思いっきり揚羽を演じさせてもらうことができました。これからもずっと大変な状況は続いていくとは思いますが、そんな中で生み出される彼らの変化を楽しんで見ていただけたらと思います。
畠中 『宇宙戦艦ヤマト』と聞いて身構える人もいるかもしれませんが、すごくシンプルに楽しめる作品になっています。描かれている物語のテーマは本当に僕らに通じるものでもあったりしますので、ぜひそれを劇場に見つけに来てもらえたら嬉しいです。
<PROFILE>
上村祐翔(うえむらゆうと)
10月23日生まれ。劇団ひまわり所属。主な出演作はTVアニメ、『文豪ストレイドッグス』(中島敦)、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ヒロ)、『ヴィンランド・サガ』(トルフィン)、『多数欠』(成田実篤)『きのこいぬ』(夕闇ほたる)ほか。
畠中祐(はたなかたすく)
8月17日生まれ。賢プロダクション所属。主な出演作はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』(上鳴電気)、『多聞くん今どっち!?』(橘敬人)、『遊戯王 ZEXAL』(九十九遊馬)、『ウルトラマンZ』(ウルトラマンゼットの声)ほか。
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