長かった受験が終わり、4月から新しい学校に通うお子さんも多いと思います。2月にお子さんの中学受験を終えた、元中学受験塾講師の天海ハルカさんは「大変だったこと、苦しかったことはたくさんありますが、受験をしてよかった」と語ります。通塾と受験勉強を終え、変化した親子関係にについて伺いました。

親子の言い合いが大きく減った

受験が終わって通塾もしなくなり、生活の変化とともに、娘との関係にも変化がありました。

私は「これをやりなさい」「あれは終わったの」といちいち聞くことが減り、娘も成績やクラス昇降で落ち込むことがなくなりました。

通塾がなくなり、娘の体力に余裕ができたのも大きいですね。体力的な余裕は、精神的な余裕につながっているのだと思います。

親子の言い合いはぐんと減り、私もずいぶんと楽になりました。

もちろん反抗期が始まり、口調が悪かったり急に敵意を向けてきたりすることはありますが、それはなにをしていても通る道。むしろ受験期を乗り越えた今では、かわいいものとすら思えます。

「今日はずいぶん長く寝たね」「明日はなにをしようか」といった会話の度に、受験が終わったのだなぁと実感していますね。

言い合いの代わりに雑談が増えた

中学受験期間も会話は多くしていましたが、勉強やスケジュールに関する内容が主でした。

放課後は帰ってすぐに軽食を食べさせ塾へと送り出していて、「携帯電話をバッグに入れておくね」「水筒にお水足しといて」といった会話はあれど、ゆっくり学校の話をする時間はありませんでした。

塾が終わってからも、私は急いで食事の準備と片づけをし、子どもは学校の宿題と翌日の準備にバタバタ。

通塾がなくなってからは、学校から帰って寝るまでの6時間ほどを家でゆっくり過ごせるようになりました。

おかげで学校でのできごとや好きなアイドルの話を聞く機会が増え、会話の量は変わらずとも、内容は大きく変わったと感じています。

通塾を終え、家で過ごし方が気になるように…

のんびりと会話を楽しめるようになったのはよいことですが、半面、だらだらと過ごしているのは気になります。

おそらく多くのお子さんがそうだと思うのですが、家での自由な時間はほぼずっと、テレビやタブレット、スマホを見ているんですよね。とくにショート動画をひたすら再生して時間が過ぎていくのを見ると、これでよいのだろうかと心配になります。

一応勉強もしてはいるものの、受験があるわけでもないため、学校がある日は1日1時間程度、残りはだらだら過ごしているといった感じです。

バタバタと塾へ行って追われるように勉強を進めていく日々は大変でしたが、やはり通塾していたころのほうが、充実さでは圧倒的だったように思います。

中学受験は合否より娘との関係性にストレスが

中学受験を終えた生活をしてみて思うのは、学年が上がるにつれて娘との関係が難しくなってきたことが、私のなかではかなりのストレスだったということです。

「中学受験は親子の戦い」とも言われますが、私は成績や合否よりも子どもとの言い合いやそれによるイライラに疲れを感じました。

これから中学受験に挑む親御さん、そしてお子さんにはまず、心を壊さないことを意識してほしいと思います。いわゆるメンタルケアですね。

勉強をがんばるお子さんはもちろん、それを見て支える親御さんも、心の休憩を挟みながらがんばってほしいです。

子どもとの絆、思い出として「よい経験」に

中学受験を通して大変だったこと、苦しかったことはたくさんありますが、終わってみればそれは「共通の思い出」だと感じます。

もちろん実際にがんばったのは娘ですが、教材が分からなくて一緒に悩んだことや、テスト問題が大人の私でも難しくて頭を抱えたことなど、いろいろなことがありました。

そうした大変なことを一緒に経験し、時にはぶつかり乗り越えたことはとてもよい経験ですね。

おそらく高校受験、大学受験と進めば子どもだけで対応することがほとんどで、親の出番はどんどん少なくなるでしょう。

とはいえ、これは野球や水泳、ピアノといった習い事でも共通することだと思います。

小学校に通いながらなにかに全力投球する娘を、サポーターとしてそばで見られた中学受験は、得るものの多い日々でした。

中学生になった娘とのかかわりは未知数ですが、1つ大きな壁を乗り越えたことを自信とし、楽しんでいきたいと思います。