「レイソルで成し遂げたい」MF仲間隼斗が鹿島で宿した“魂”を古巣柏で灯す
仲間は柏のアカデミー出身。しかし、ユースからトップチームには昇格できず、J2のロアッソ熊本でプロキャリアをスタートさせた。その後、カマタマーレ讃岐、ファジアーノ岡山を渡り歩き、実に9シーズンに渡ってJ2でプレー。J1を目指す厳しい戦いの中で、ユース時代の“ドリブラー”から、誰よりも戦う“ハードワーカー”へ変貌を遂げ、2020年に古巣・柏へ1度目の復帰を果たした。
「“魂”を込めてプレーしていたというよりは、本当に自然とその状態になっていて、みんなが“魂”だと思ってくれたのかなと思います。自分が“魂”を入れたのではなく、自然体の自分で、チームが勝つためにプレーをしていれば、自然と“魂”がみんなに伝わるのかなと」
加入から3シーズン、仲間は鹿島のタイトル獲得のために全身全霊を尽くした。本人も「本当に心の底から鹿島でタイトル取るっていう思いでプレーしていましたし、ここまでやって獲れないかっていうぐらい自分はできたと思っています」と、その自負を語る。しかし、結果的には最後までタイトルを獲ることができず、悔しさの残る3年間となった。
「皆さんは僕のことを“魂”と言ってくれますが、その魂を宿してくれたのはアントラーズファミリーです。僕の力不足でサポーターの皆様には苦しいシーズンを過ごさせてしまったこと、力になれなかったことを心から申し訳なく思っています」
退団の際、鹿島の公式サイトで804文字に及ぶ感謝のメッセージをサポーターへ送ったが、その中でも悔しさを記した。「あのメッセージはかなり考えて、期日よりも1日、2日くらい送るのが遅れてしまいました。言葉ってすごく難しいですよね。文章だけでどうにかみんなに伝わらないかなと思って、すごく考えたんですけど。気持ちは本当にあの文章のとおりです。アントラーズのサポーターの方にうまく伝わってくれたらいいなと思っています」。感謝と悔しさが心に刻まれた3年間だった。
一方、その間に『特別なクラブ』である古巣・柏が残留争いに巻き込まれていることも、もちろん知っていた。「正直、本当に厳しいところで戦っていたなというイメージで、自分もJ2で残留争いをしていたことがあるので、その辛さがすごくわかります」と昨季の戦いぶりを振り返る。そして迎えた2024シーズン終了後のオフ、仲間は古巣・柏への2度目の復帰を決断した。
「レイソルが厳しい状況にあるというのは、外から見ていて感じましたし、やっぱりその中でレイソルにもう1度声をかけてもらって、『自分がレイソルのために少しでも貢献できるなら』というところで決断させていただきました」
4年ぶりの古巣帰還。自身初のJ1挑戦だった前回とは、立場も心境も異なる中での決断だった。
「前回レイソルに帰ってきた時は、どこかゴールというか、戻ってこれて良かったという思いがあったんですけど、今回は全然ホッとしていなくて。むしろ、これからの方が本当に厳しい戦いになるということをすごく感じています」
始動から約2週間が経ち、トレーニングの中で柏には柏の良さ、鹿島には鹿島の良さがあることを実感した。ただ、鹿島での経験は、柏で必ず活きるという感覚もあった。
「レイソルで(今季始動から)2週間練習していますけど、今の雰囲気、空気感、今みんなが取り組もうとしているものを、多分1年間通してできれば、かなりいいものが出来ると思っています。(昨季は残留争いをしていても)鹿島と遜色ないものをすごく感じています。でも、人間って、やっぱりどうしても試合に出る出ない、自分が調子いい、調子悪いで、すごく空気が変わってしまうもの。鹿島にはそういうことを許さない全体の空気感がありました。鹿島にはやっぱり安定して上位に入れる空気感があったなと感じています。レイソルでも、少し悪くなりそうな時に今の空気感を思い出して、『何かに取り組む』とか、『何かに挑戦する』という意識のまま、1年間を通してトレーニングしていけるようにしたいです」
