異物が付着した「はじめてのシリアル」(読者提供)

写真拡大

アサヒグループ食品が和光堂ブランドで展開しているベビーフード「はじめてのシリアル」について、客から異物混入の問い合わせを受けていたことが分かった。

アサヒグループホールディングスは取材に対して、問い合わせの事実を認め、外部分析では食肉に由来する「何かしらの肉片」との判断だったと明かした。同社は「出荷後に付着した可能性が高い」との見立てだ。

製造工程では「肉片が混入する可能性は極めて低い」

2024年11月、和光堂の「はじめてのシリアル 緑黄色野菜とくだもの」に異物が付着していたことを知らせるSNS投稿があった。投稿は、問い合わせを経て「何かの肉片」であるとの調査報告書を受け取ったと情報共有する内容で、にわかに注目を集めた。実物の写真をみると、柔らかいリング型のパフ1粒に、1センチメートル足らずの赤茶色の塊がついていた。

アサヒグループホールディングスの広報は7日、J-CASTニュースの取材に「まず初めに、皆さまにご心配おかけしたことを大変お詫び申し上げます」と述べたうえ、「異物混入につきまして、お客様よりお申し出があったのは事実でございます」と明かした。報告書の作成にあたり、社外機関に異物の分析を依頼し、結果をふまえて社内でも調査していた。

まず外部調査では、異物は虫ではなく食肉に由来するもので、特定が難しい「何かしらの肉片」と判断されたという。

ただ、広報によると、アサヒグループ食品の製造、配送、検査といった工程を調査したところ「肉片が混入する可能性は極めて低い」と判明。「出荷後に付着した可能性が高いとは思われますが、混入の原因につきまして、それ以後のところは我々は分かりませんので、特定は出来ておりません」と状況を伝えた。

報告書では、異物を除去したりする検査工程に異常がなかったことや、

「本品の製造工程内で、食肉類の使用は無いことも確認いたしました」

といった事柄についても説明している。

「勘案により、社外公表を行わず」

同社は10月9日に検体を受け取り、22日に調査報告書を客に発送したとしている。今回の事案は所轄の保健所に報告したとしているが、これまで公表しなかった理由は下記の通り説明している。

「食品衛生法や食品表示法のように、食品の事業会社の責務の考え方に則り、健康被害への影響、拡大の可能性、違法性がないか、あとは混入の可能性が極めて低い等々の勘案により、社外公表を行わず、お客様と個別にご対応させていただいておりました」

同様の理由で商品回収は予定していない。とはいえ、「お客様にご心配おかけしたことを大変お詫び申し上げます。弊社といたしましては、より一層、品質管理につとめて参る所存です」と受け止めている。

一方で今回に限らず、SNS上では和光堂商品の異物混入を訴える投稿がたびたび見られ、ブランド公式X「お客様サポート係」(@wakodo_support)も対応にあたっている。これをふまえて再発防止策を尋ねると、広報は「より一層、品質管理につとめて参る」と重ねた。