熊切あさ美

写真拡大

テレビは一切見ず

「崖っぷちアイドル」として活躍した後、グラビアで再ブレークを果たしたタレントの熊切あさ美(44)。現在は穏やかな芸能生活を送るが、以前は熱愛スキャンダルに巻き込まれたこともあった。世間から大バッシングを浴びた30代当時のことを、涙ながらに振り返ってもらった。(全5回の第5回)

【写真】「奇跡の39歳」と言われた圧巻の美ボディー。「超美少女」だった幼少期、小学、中学、高校、チェキッ娘時代の熊切あさ美

――当時のことについて、教えてください。

 私はテレビとか一切見ていなくて、世間からどんな風に見られていたか、わからなかったんです。それで、友達に「私って、(一時、世間を騒がせたタレントの)〇〇みたいじゃなかったよね」と聞いたら、「その子みたいだったよ」と言われてしまって……。

熊切あさ美

――何年も前の話です。

 そうなんですが、今も悔しくて涙が出てきますね。体が覚えているんです。当時はマッチングアプリとかが出てきた時代なんですが、知らない人と付き合うのは、何をされるかわからないから怖いと思っていたんです。でも、芸能人同士で付き合ってもこういうことが起こるんだと思いました。

――当時の所属事務所はどのような対応だったのでしょうか。

 社長がとても優しくて、たぶん私のことを守りすぎちゃったんですよね。絶対に私のほうからは発信させないようにしていました。でも、今みたいにSNSで発信できたら、またちょっと違う展開だったかなと思います。

――それは、前の前の事務所ですか。

 そうです。今はその事務所はありません。

――その社長が守ってくれたのですか。

 はい、向こうの言い分がおかしいことはわかっていたので、事務所同士でやりとりする際、「うちは乞食じゃねえんだよ」「お金が欲しいわけじゃねえんだよ」みたいに言ってくださって……。心強かったですね。

――熊切さんご自身は、この時はどうされていたのですか。

 社長から「(当時、住んでいたマンションは)危ないから出よう」と言われて、荷物をまとめて家を出て、ホテルで暮らしていました。社長は「お前を一人にすると危ない」と言ってくれ、私の親友をホテルに呼んで、そばにいさせてくれました。

2週間のホテル暮らし

――ホテル暮らしはどれくらい続いたのでしょうか。

 2週間くらい続いたら、それもしんどくなってきて、親友の家に1週間くらい住んで、その後、引っ越して新しい生活がスタートしました。

――どのように立ち直ったのでしょうか。

 中途半端な形だったら、立ち直れなかったと思うのですが、あそこまでの終わり方をされると、1つも思い出が残らなかった。ですから、楽は楽でした。全く未練はありません。

――報道は見なかったですか。

 テレビは見ることができなかったですね。社長は毎日、スポーツ新聞だけは買ってきて、全部捨てていました。

――報道合戦もすごかったですね。

 私のことはよく「売名」と報道されました。でも、自分としては全然そんなつもりはありません。メディアの人から情報の出所を教えてもらったのですが、本当に腹が立ちました。

――芸能界の知り合いも離れていった感じですか。

 そうですね、でも、北斗晶さんだけがすごく優しかったです。北斗さんも病気を患って一番辛い時期だったと思うのですが、毎日電話をくれて、「うちに来い」「ご飯食べてるか」と言ってもらいました。テレビに出演した時も擁護してくださって、本当に救われましたね。

――外部の人とは連絡を取っていたのでしょうか。

 社長から「マスコミの人からの可能性もあるので、誰からの電話も出ちゃダメだよ」と言われていました。どの人までを信用していいかわからなかったんです。唯一連絡を取っていたのは、北斗さんと親友だけでした。

芸能界をやめなかった理由

――世間からの誹謗中傷とかは耳に入ってきましたか。

 情報を遮断していたので、最初はわからなかったです。でも、ちょっと元気になるとヤフーのコメントを見ちゃって……。

――いかがでしたか。

 見たら、ほとんど悪口でした。でも、たまに、私に対して優しいことを書いてくれる人がいたんです。それを親友に伝えたら、「それ、私だよ」と言われて……。私に関するいいコメントは、全部友達が書いてくれていました。

――辛い出来事でしたが、芸能界には残られています。

 やっぱり長いこと芸能界にいてよかったなと思っています。昔から知っている芸能界の方は味方してくださいました。

――芸能界をやめなかったのはなぜでしょうか。

 あの時にもしやめていたら、向こうの言い分が本当になって、自分がただのバカ女で終わっていたと思います。今は完全に立ち直りました。

――やはり、男運は悪いのでしょうか。

 すごく悪く見られますが、結構いいんですよ。でも、あんな騒動があって、絶対、次は見つからないと覚悟していましたが、意外といい人が現れてくれるんです。

 第1回では、事務所を移籍して気持ちを新たに、今後の活動について語る。

熊切あさ美
1980年、東京都杉並区出身。1998年、アイドルグループ「チェキッ娘」でデビュー。女優やタレントとして活動する。

デイリー新潮編集部