ユニクロの新“グローバル旗艦店” 地域企業コラボ・欧米限定商品を販売 リアル店舗でのブランド体験を世界へ 東京・新宿区

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ユニクロが新宿に国内4店舗目となるグローバル旗艦店をオープンする。
「本店」と表記された初の店舗で、新宿の魅力を発信し、インバウンド需要にも対応する。
専門家は、リアルな店舗体験の重要性が増す中、旗艦店がブランドの差別化に貢献すると指摘している。

新宿に新ユニクロ「本店」オープン

ユニクロの新たな旗艦店が、新宿にオープンする。

東京・新宿の「ビックロ」跡地に、10月25日(金)にオープンするユニクロの新店舗。

ブランドでは、初めて「本店」と表記されたこちらの店舗のコンセプトは、「新宿から世界へ、世界から新宿へ」で、新宿の街の魅力を発信する、国内4店舗目のグローバル旗艦店だ。

フジテレビ経済部・岩田真由子記者:
新宿に本店を構える企業とコラボしたTシャツの売り場には、このように、代表する商品がたくさん並んでいます。

新宿の老舗「タカノフルーツパーラー」の“イチゴパフェTシャツ”に、ピュレグミなどを販売する「カンロ」のコラボ商品など、新宿の街に根づく企業や店舗を、商品と合わせて発信する。

歌舞伎町のフォトスポットとしても人気を集めるゴジラのTシャツなどもラインナップされている。

大迫力のゴジラの売り場では、新宿の魅力を伝える一方で、欧米でしか取り扱っていない商品も販売している。

岩田真由子記者:
日本では、Vネックで販売されているベストですが、欧米コレクションは、タートルネックで販売されています。

新宿エリアには、すでに4店舗が点在し、今回の店舗で5店舗目となり、急増するインバウンドに対応する。

ファーストリテイリング・遠藤真廣グループ執行役員:
インバウンドも回復して、もはや新宿は日本だけでなく「世界の新宿」。それを百貨店ならぬ“百貨街”というコンセプトで考えた。

カフェスペースの設置に、ガイドブックの発行など、ウェア以外のサービスも集結させ、新宿と世界をつなぐハブとしての役割を担う旗艦店が、その先に見据えるのは――。

ファーストリテイリング・遠藤真廣グループ執行役員:
この新宿本店で、世界一の売り上げを取りたい。これから5兆円、10兆円を目指していくうえで、日本発のブランドとして、新宿から世界へ向けて、その意気込みを伝えたい。

目の肥えたお客様が来店しても、満足してもらえる商品の品ぞろえ・サービスを提供していきたい。

限定コラボ展開で地域密着型のブランド体験

「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
ーーユニクロの新たな旗艦店について、企業ブランドなどを研究している鈴木さんの目には、どう映っていますか?

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
ブランドとは、一言でいうと「差別化」です。ほかのブランドにはない良さを消費者に伝える重要なタッチポイントとして、旗艦店は大きな役割を担っています。

旗艦店には、あらゆる要素にブランドのアイデンティティーが反映されています。

今回の新宿本店も、目に映る建物や、店内のレイアウト、豊富な品ぞろえの中から、商品を手に取り、試着したりと、五感を通してブランド体験を提供する店舗であり、ユニクロが掲げる「LifeWear」を、もっともよく体現した空間になっています。

堤キャスター:
ーーその「LifeWear」は、「カジュアルウエア」とは、何が違うのでしょうか?

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
この「LifeWear」は、「究極の普段着」によって、あらゆる人の生活をより豊かにするという、ユニクロが自らに課した使命を表しています。

例えば、夏に涼しさを体感できる「エアリズム」や、冬の定番になっている「ヒートテック」などは、まさに「ライフ」、毎日の暮らしに寄り添った普段着ですよね。

堤キャスター:
ーーこの新宿本店には、ユニクロの特別な思いが込められているんですね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
特別といえば、新宿本店でしか買えない、ここでしか体験できない特別感が用意されています。   

中でも新宿で長く愛されている店舗とのコラボ展開は、一緒に新宿の街を盛り上げていこうという意気込みを感じます。

これは地域密着の個店経営の推進によって、より愛されるブランドになる、という思いが反映されているようです。

旗艦店の戦略的価値がさらに重要に

堤キャスター:
ーー新宿という街を元気にする拠点になるといいですね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
オンラインで、何でも手に入る時代だからこそ、リアル体験を提供をしている実店舗の重要性は増しています。

店舗に行きたくなる、しっかりとした理由づくりが求められる中、ブランドをもっとも良く体現する旗艦店の戦略的重要性は、今後、ますます高まると思います。

堤キャスター:
ユニクロというと世界中の企業とのコラボの印象も強くありますよね。
新宿というさまざまなカルチャーが交わる場所だからこそ、今のニーズにあった形で、日本の魅力を発信していってくれることを期待したいです。
(「Live News α」10月23日放送分より)