『私を喰べたい、ひとでなし』©2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会

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 『電撃マオウ』(KADOKAWA)にて連載中の漫画『私を喰べたい、ひとでなし』が、2025年にTVアニメ化されることが決定した。

参考:上田麗奈がたどり着いた“本当の優しさ”とは 「聞いてみないとわからないことがある」

 本作は、死を望む少女・比名子と、その血肉を求める人魚・汐莉の関係を描いた百合ホラー。

 「私は君を喰べに来ました。」。突然現れた人魚の少女・汐莉は海辺の街に独り暮らす女子高生・比名子の手を取り語りかける。妖怪を惹きつける特別に美味しい血肉を持つ比名子を求め現れた彼女は、成熟し、最高の状態を迎えるまで比名子を守り、そして、すべてを喰らい尽くす。遠からぬ未来の理不尽な死を突き付けられ、比名子の胸に渦巻く想いは--。

 アニメーション制作を手がけるのは、『私の百合はお仕事です!』で知られ、本作が初のシリーズ元請けとなるスタジオリングス。総監督には葛谷直行、監督には鈴木裕輔、シリーズ構成・脚本には広田光毅、キャラクターデザインには郁山想、音楽には井内啓二、音響監督には納谷僚介が名を連ねた。また、主人公の八百歳比名子役の声優は上田麗奈が担当する。

 あわせて公開されたティザービジュアルには、きらめく浅瀬に横たわる少女に、優しく伸びる妖怪の手が描かれている。

 ティザーPVには、愛媛県を舞台に、穏やかな海と美しい夕焼け、海に沈んでいく比名子の姿が映し出される。

 また、八百歳比名子役の上田とメインスタッフからはコメントも到着。原作者の苗川からはアニメ化お祝い描き下ろしイラストとコメントも寄せられた。

コメント苗川采(原作)

『私を喰べたい、ひとでなし』なんとなんとアニメ化です。苗川自身が一番驚いております。このような貴重な機会を頂けたのも、ずっと「わたたべ」を応援して下さってくれた読者の皆様のお陰です。本当に本当にありがとうございます!私も『わたたべ』の面々がどんなふうに喋って動いてくれるのか今からとても楽しみです。皆様もどうぞお楽しみに~!

上田麗奈(八百歳比名子役)

比名子ちゃんは今、感情を持つ気力が無い状態で、自分の過去や現状に対して怒ったり恨んだりするというよりも、淡々としているイメージと伺いました。作品全体の心地良い仄暗さを意識しつつ、その中にあるものを丁寧に拾い上げながらアフレコに臨めるよう頑張りたいと思っております。アニメでも『わたたべ』を是非よろしくお願いいたします。

葛谷直行(総監督)原作を読ませて頂いてまず思ったのが非常にイメージ性の高い作品だなと感じたのでその雰囲気を壊さないように細部まで気をつけながら絵作りに励んでます。比名子を中心に、汐莉、美胡、それぞれの想い、期待、希望、裏切り、絶望など気持ちのすれ違いを瀬戶内の美しい景色に絡め温度感が伝わるよう丁寧に絵作りして画面投影出来ればとスタッフ共々誠意奮闘中です。期待して待ってて頂けると幸いです。

鈴木裕輔(監督)監督を務めさせていただきます鈴木と申します。お話しを頂いた時この作品の世界観を表現するのは大変だと思っておりました。比名子の願いは適うのか?自分も皆さんと共に見守って行きたいと思っております。宜しくお願いします。

広田光毅(シリーズ構成・脚本)『私を喰べたい、ひとでなし』--なんと魅力的なタイトルなんだろう……それが、原作を手にした時の印象でした。そしてページを開くと、すぐにその世界観に惹きこまれました。世界を見つめる高い空の視線、登場人物に寄り添う心の視線、全てを包み込むような深い海の視線--が交錯しながら紡がれる物語です。新しいようで懐かしい、懐かしいようで未知の経験--そんな苗川先生の生み出した世界のアニメ化に関われて嬉しく思います。この素敵な物語が視聴者の皆様の心を見事に「喰べて」しまえるよう、製作者一同頑張って参ります! よろしくお願いいたします☆

郁山想(キャラクターデザイン)夏の香り、潮騒の響き、美しい瀬戶内の海、そこを舞台に織り成される少女たちの繊細かつ複雑な葛藤― 対する妖怪たちの異様さ不気味さのコントラストがこの作品を手にとった私に強烈な衝撃を与えました。 その世界をより深く表現できるようキャラクターたちをデザインしていきたいと思います。 色や音をもって動きだす比名子たちを、皆様に楽しんでもらえたらうれしいです!

井内啓二(音楽)『わたたべ』アニメ化おめでとうございます! 私自身、広島の廿日市市出生でもあり、苗川先生のイメージされている瀬戶内の海の色に非常に親しみを感じながら原作を楽しませて頂きました。 関東に移り住んでから青色の絵の具に少し緑を混ぜて海の絵を描いたところ、クラスメートに不思議な顔をされた事を覚えています。比名子の視点で描かれる一夏の物語を、瀬戶内の海のようにどこまでも深く包み込むような音楽で彩れたらと思います。

納谷僚介(音響監督)繊細な心理表現が魅力的な原作……ですが、映像にしようと思うと……説明しすぎても味がなく、かといって説明しなさ過ぎても理解より前に映像が先へ行ってしまう……絶妙なさじ加減が要求される難しい作品です。……しかし、その難しさを乗り越えても映像 として表現したくなる本当に素晴らしい作品だと感じています。セリフ、音楽、効果 音、全部を使って素敵な作品に仕上げますので、放送を楽しみにしていてくださいね。(文=リアルサウンド編集部)