世帯年収「350万円」です。息子が「私立大学」に行くのでお金が用意できるか不安です…入学時にどのくらいのお金が必要ですか?

写真拡大 (全2枚)

「私立大学は高いイメージがあるけど、本当なのだろうか」「入学時にいくらくらい準備すればいいのだろう」と不安に思う方もいるでしょう。 そこで本記事では、私立大学に入学する際の費用について解説します。奨学金の制度についても分かりやすく解説しますので、大学進学に向けて費用面で心配な方はぜひ参考にしてください。

大学入学時にかかる費用

文部科学省が公表した「国公私立大学の授業料等の推移」を基に、令和5年度の入学料・授業料の平均を表1にまとめました。
表1

入学料 授業料 合計 私立大学 24万806円 95万9205円 120万11円 公立大学 37万4371円 53万6191円 91万562円

出典:文部科学省「令和5年度 国公私立大学の授業料の推移」を基に筆者作成
入学料は私立大学の方が安いですが、授業料は倍近く高いことが分かります。
また、親元を離れて生活する場合は、新生活の準備も必要です。入学時には、新しく家を借りたり、家電製品を買ったりと、初期費用が多く発生すると考えられます。
独立行政法人 日本学生支援機構の「令和4年度 学生生活調査結果」によると、大学学部の年間での生活費平均は67万7400円となっています。
内訳をみると、「食費、住居、光熱費」は33万5900円、「保健衛生費、娯楽・し好費、その他の日常費」は34万1500円でした。授業料のほかに、年間で約70万円かかることが想定されます。1ヶ月あたり6万円程度を生活費として用意しなければならないかもしれません。
なお、学生の収入状況の調査結果では、「家庭からの給付」「奨学金」「アルバイト」が主な収入源となっています。
次章では、学生とその家族を支援する「奨学金の制度」について詳しく解説します。
 

奨学金制度について

奨学金制度には、いくつかの種類があります。日本学生支援機構の奨学金は、返済不要の「給付奨学金」と、返済が必要な「貸与奨学金」の2種類です。さらに貸与奨学金は、無利子と有利子の2つに分かれています。
それぞれの奨学金について解説します。
 

給付奨学金

返済不要の「給付奨学金」は、2017年(平成29年度)からスタートした新制度です。
世帯収入や資産の要件を満たしており、かつ、進学先で学ぶ意欲がある学生などであれば、支援を受ける対象となるようです。
世帯収入によって支援額が異なりますが、大学や専門学校などの授業料・入学金が免除または減額されます。
ただし、一定の要件を満たした大学や専門学校が対象となるため、進学を希望する学校が対象であるか確認する必要がある点に注意が必要です。
 

貸与奨学金

貸与奨学金には、無利子で借りられる「第一種奨学金」と、有利子で借りる「第二種奨学金」があります。また、入学時に奨学金を増額できる「入学時特別増額貸与奨学金」もあります。
支援基準や支援額は「第一種奨学金」と「第二種奨学金」で異なります。奨学金を検討する場合は事前に受給条件を確認し、申し込みのスケジュールもきちんと把握しておくことが大切です。
 

私立大学の入学費用は約120万円。生活費の用意が必要なケースもあるため、奨学金の利用も検討しましょう

私立大学の入学費用は、入学料や授業料を合わせて約120万円になる見込みです。また、親元を離れる場合は、新生活にかかる費用も発生するでしょう。
入学にかかる費用や、継続的に発生する生活費には、奨学金を利用するのも一つの方法です。経済的に困らずに学生生活を送れるよう、利用できる奨学金制度を調べてみましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について(参考2)国公私立大学の授業料等の推移
独立行政法人 日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー