ご主人の枕をしっかり占領。紙袋はちょっぴり怖い。甘えん坊でドジっ子な黒猫との生活は癒しだらけ!

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『黒猫ろんと暮らしたら』(AKR/KADOKAWA)は、保護猫の「ろん」と飼い主のAKRさんの毎日を描いたコミックエッセイ。ろんのユニークな性格とAKRさんの温かい視点が織りなす、心温まるストーリーは必読だ。

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 ペットを飼うなら保護された子を引き取りたいと決意していたAKRさん。一人暮らしを始めたころ、近所の動物病院で運命の出会いをはたす。おとなしくて人懐っこい黒い子猫。一目見ただけでビビッときたのが「ろん」だった。

 猫といえばクールなイメージがあるものだが、ろんはどちらかといえば真逆な性格だ。ドジで猫らしい俊敏さは感じられない。平均の2倍もある大きな体格で愛嬌たっぷりに振る舞う。底なしに甘えん坊。そんな姿に思わず笑いを誘われてしまう。

 枕を愛猫に占領されるのは猫飼いにとってお馴染みの光景だが、ろんの場合は体格が大きいこともあり、その迫力とインパクトが桁違いだ。自由気ままに寝転がりながらも、ちょっぴりスペースを空けてくれるろんなりの優しさに、AKRさんは幸せを感じずにはいられない。

 AKRさんはろんの表情や仕草をリアルに観察し、時にシュールに、時に愛情たっぷりに描写している。「お手」をする時に前足を握られまいとする小技。紙袋に顔を入れてみたものの抜けなくなってしまいトラウマになったエピソード。猫と過ごすほのぼのとした生活が、温かい筆致で存分に表現されている。

 本作は猫との生活の喜びをユーモアたっぷりに伝えてくれる。猫好きはもちろん、これから猫を飼いたいと思っている人にもおすすめしたいハートフルな作品だ。

文=ネゴト / ニャム