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 石破茂自民党新総裁(67)が29日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。中国広東省深センで日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件に言及した。

 事件が起きた18日は満州事変の発端となった柳条湖事件から93年を記念する行事が中国各地で開催され、反日感情が高まっていた。

 岸田文雄首相は19日、中国側に事実関係の説明を強く要求する考えを表明。「極めて卑劣な犯行」と語り、再発防止を求めると述べた。中国外務省の林剣副報道局長は19日の記者会見で哀悼と遺憾の意を表明。「同種の事件はどの国でも起こり得る」とし、事件は日中間の往来や協力に影響を与えないと主張した。

 フジテレビ解説委員の松山俊行氏が「先日、上川外務大臣が国連総会行った時に王毅外相と会って、中国側からは“日本は政治問題化しすぎだ”みたいなことまで言われている。ここをやっぱり情報開示求めて、もっと強い対抗措置取るべきじゃないかっていう意見がありますけど石破さんはどういう?」と聞くと、石破氏は「私どもは別に政治問題化しようなんて全然思ってません。ああいう痛ましい事件があって“こんなものはどこでも起こることだ”とは何ですか」と語気を強めた。

 そして、「そんなことはあり得ないし、6月にも同じような事件があった。じゃあその事件の解明はどうなったか。動機はどうだったか。今回の事件が起こった日は、そんな日中関係にとって特別な日でしたよね、満州事変の発端となった柳条湖事件が起こった日だ。その日もいろんな反日的な報道とか情報とか出ませんでしたか」と言い、「中国って情報統制がきちっとできる国ですよね。いい悪いは別としてね。でもそういうこともしなかった。そういう危ない日にどうしてそういうふうな情報統制、いい意味でしなかったのか。ましてや“どの国でも起こり得ること”とは何ごとだということであって、そこは柘植副大臣も北京に行かれて、強く申し入れたはずですが、それは政治問題もなにも、こんなことがあっていいことはないということはきちんと言います」と中国の姿勢を批判した。

 松山氏の「中国がこうした姿勢を全く変えないという状況になった時に、日本はさらに強い措置として、例えば大使の召還とか何かしら強めの措置を講じるということはできないんですか?」には、「そこまでは今考えていません。ですけれども、誠実な対応はしていかなければならないし、それなりの人が、外務大臣だけではなくて、ましてや報道官だけではなくて、公安当局、治安当局、一体この事件はなんだったんだ、動機は何なんだということが全く分からないでは話にならんですよ」と今後も事件について追及していく構えを見せた。