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先ほど発表されたiPhone 16 Proシリーズ

映像の仕事のメインカメラとしてiPhone 15 Pro Maxを使用しているiPhoneographerの自分から見た、iPhone 16 Proシリーズの動画性能の進化について書いていきます。

15 Proシリーズとの違いは?

前機種のiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxの違いは本体のサイズ(バッテリー容量など)とPro Maxには5倍望遠のテトラプリズムレンズ(35mm換算120mm)があるという点のみでした。

しかし今回はiPhone 16 Proにも5倍のテトラプリズムレンズ(35mm換算120mm)が装備され、レンズ面での違いは無くなり、0.5倍の超広角レンズ(35mm換算13mm)がiPhone 15 Proシリーズの1200万画素から4800万画素に進化しています。

それからiPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Maxには「カメラコントロール」ボタンが装備され、カメラアプリの操作が容易になりました。

使い心地が気になる新ボタン

カメラコントロール
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例えばサードパーティーアプリの「KINO」ではiPhone上のグリッド(被写体の位置を決めるときの参考にする枠線)の変更が簡単に出来そうです。。

「KINO」の操作画面
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iPhoneにSSDやワイヤレスマイクなどの外部アクセサリを接続して動画撮影する人間としては、例えばBeastgrip Proといったスマートフォン用のリグをiPhone 16 Proシリーズに装着した時に、この「カメラコントロール」がリグに干渉しないか気になります。

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リグによってはiPhoneの4辺をかなり塞がれます。

動画の記録方式について

ソフトウェアでのアップデートで言うと、4K 120FPSで撮影ができるようになったという点が大きいです。

前機種のiPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxでは4K撮影の場合60FPSが最大だったのですが、今回のiPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Maxから4K 120FPSの撮影が可能になりました。

モード問わず4K 120FPSで撮影できる市販のシネマカメラは結構限られているので、意外とすごい機能です。

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もはや通例となりつつある新型iPhoneによって撮影されたMVシリーズ。今回はなんとThe Weekndの新曲、「Dancing In The Flames」を4K 120FPSで撮影。

4K 120FPSの映像をチップの負荷が多いApple Log(ポストプロダクションで色とコントラストをより柔軟に編集することが可能な記録方式)で撮影出来るということ自体が、内蔵チップであるA18 Proのパワフルさを表しているでしょう。

個人的ダークホース、「Spatial Audio capture」

今回のiPhone 16 Proシリーズの発表で不意をつかれた感じでぐっと来たのがオーディオ面の進化です。

その名も「Spatial Audio capture」。「STANDARD」、「IN-FRAME」、「STUDIO」、「CINEMATIC」と4つのモードから必要に応じて演者の音声と背景音のバランスをノイズリダクションなどによって変更出来るという優れもの。

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もちろん、音源、この場合、演者とiPhoneの距離によってノイズリダクションの効果は変わってくると思いますが、今まであまり目新しいiPhoneの内蔵マイクのアップデートがなかった分、急にとんでもないアップデートを繰り出してきました。

iPhoneにショットガンマイクを接続したりするとマイクのサイズによっては0.5倍の超広角レンズ(35mm換算13mm)を使用した時にショットガンマイクが映像に映り込んでしまったりするのですが、このSpatial Audio captureの性能よっては、ショットガンマイクを使わなくてもいい状況が増えるかも?とうっすら期待をしています。

Image: 山粼拓実
TILTA KhronosにゼンハイザーのMKE400-IIを接続した状態。ご覧の通りiPhone 15 Pro Maxの面影はどこにもありません。

iPhone 15 Proシリーズ以上にiPhoneの形をしたカメラになってきたiPhone 16 Proシリーズ。iPhone 16 Proは159,800円から、iPhone 16 Pro Maxは189,800円から9月13日(金)に予約開始です。

これを見ればOK。iPhone 16の特徴・価格・発売日まとめ【9月10日更新】

Source: Apple