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『エイリアン2』(1986)でシガニー・ウィーバーが演じた主人公エレン・リプリーは、宇宙最恐の生命体を相手に銃で勇敢に戦う。ところがウィーバーは撮影当時、銃の使用に断固として反対していたのだそうだ。最終的にセットで銃を取るようになるまでの紆余曲折についてウィーバーが語った様子を、米が伝えている。

ジェームズ・キャメロンによる『エイリアン2』は海兵隊のキャラクターたちが登場し、1作目からアクション要素が増している。劇中ではさまざまな銃火器が登場しており、リプリーはM41Aパルスライフルを構えて戦う。

ところが撮影当時、銃規制派の考えを持つウィーバーは銃火器のシーンを嫌がっていたのだそう。「彼(ジェームズ・キャメロン)は私のアイデアを何でも受け入れてくれましたし、彼の直感は素晴らしいと思います。でも一つだけ、銃の描写にはワクワクできませんでした」とウィーバーは話している。「私は脚本を読む時、ストーリーを体験するために速読するようにしているんですけど、銃がたくさん出てくる演出のところは読み飛ばしていました」。

キャメロンが大量の銃を現場に持ち込むのを見ると、ウィーバーは思わず「何に使うんですか?」と尋ねたそう。無論、撮影のためなのであるが、キャメロンの方も「どういう意味だ?」と困惑。するとウィーバーは「私は銃規制に賛成していますし、銃を手に取って何かやるつもりはありませんからね」と断ったという。

「君は脚本を読んでこなかったんだな」というキャメロンに対し、ウィーバーは「いや、読みましたよ。でも、銃が出てくる段落は読んでません」と譲らない姿勢。そこでキャメロンは彼女をスタジオ裏に連れて行き、マシンガン数百発を彼女に撃たせたそう。

するとウィーバーは、意外にもマシンガンをブッ放つ感覚にヤミツキになってしまったといい、キャメロンから「彼女(リプリー)がどういう状況なのかを見てほしい」と説かれたという。

「もちろん彼女は自己防衛が必要だし、彼が銃を使いたがった事情もわかります」と理解をしたウィーバー。劇中ではリプリーの銃撃シーンを撮ることもできたわけだが、「あれは私の選択ではなかった」と、あくまでも銃の使用は望まなかったと語った。

ちなみにウィーバーにマシンガンぶっぱを勧めたキャメロンだが、興味深いことに現在ではウィーバーと同じく銃反対派になっている。アメリカで銃乱射事件が横行したことに心を痛め、『ターミネーター』シリーズで銃をフェティッシュに描いたことにのだ。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)でも、撮影した銃撃戦シークエンスを10分もカットしたという。

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