「埋もれちゃってる」Travis JapanとAぇ! groupへの巻き込み事故的〝状況の変化〟

2024年8月19日 7時0分

創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題によりすっかり崩壊してしまった〝ジャニーズ帝国〟。旧ジャニーズ事務所は昨年10月にSMILE-UP.に社名変更し、所属タレントたちのマネジメントおよび育成業務は今年４月に新会社・STARTO ENTERTAINMENTに引き継がれた。

性加害問題が取り上げられる前の’22年10月には７人組の『Travis Japan（以下・トラジャ）』が、新体制発足後の今年５月には５人組の『Aぇ! group（以下・ええグル）』がそれぞれデビューを果たした。だが、両グループのデビューに際してはそれぞれ〝誤算〟があったようだ。

「トラジャは米・カリフォルニアへの無期限のダンス留学を経て、米のキャピトル・レコードと契約し、ジャニーズ初の全世界メジャーデビューを発表。世界進出を目指すことになりました。

ところが、トラジャのデビューにあたってプロデュースを手掛け、当時旧ジャニーズの副社長だった滝沢秀明氏（42）は、デビューを見届けるかのように、’22年10月末に退所。新事務所・TOBEを立ち上げたのです。さらに、ジャニー氏の性加害問題は海外のメディアでも取り上げられたことから、世界進出は頓挫してしまいました。

ええグルは、フジテレビが独占中継した、昨年の『ワールドカップバレー2023』でスペシャルサポーター就任が内定していました。同時にこの大会のテーマ曲でデビューする予定でしたが、ジャニー氏の問題で参加国から『NO』を突き付けられてすべてご破算に。昨年末には人気メンバーの福本大晴（24）がコンプライアンス違反を理由に事務所との契約を解除され、グループを脱退するという出来事も起こっています」（音楽業界関係者）

トラジャは旧ジャニーズ史上初、デビュー曲『JUST DANCE!』がCDではなく配信で、それ以降リリースしたシングル５曲もいずれも配信。昨年12月リリースのアルバム『Road to A』が初のCDとなっている。一方のええグルは今年５月にリリースしたCDデビュー曲『《A》BEGINNING』が発売初週で62.5万枚の売り上げを記録。『オリコン上半期ランキング 2024』のアーティスト別セールス部門の新人ランキングで１位を獲得していたのだが……。

「今や配信のみのデジタル盤をリリースするアーティストが多いが、旧ジャニーズ勢のファンは、推しのグループがリリースしたCDをことごとく収集するのが推し活のルーティンに組み込まれています。ですからCDの売り上げが人気のバロメーターともいえるのですが、トラジャのファーストアルバムの発売初週の売り上げは15万枚ほどでした。デビューから１年ほどしかたっていないにもかかわらず早くも人気に陰りが見え始めており、苦境にあるといえるでしょう。

ええグルは10月９日に２枚目のシングル『Gotta Be』のリリースを発表しています。デビューシングルは〝ご祝儀〟的な感じでファンがこぞって買ったからこその数字かもしれません。２枚目の売れ行きで現状の人気度が判明するでしょう」（芸能記者）

トラジャのメンバーでは松田元太（25）がフジテレビ系の昼の情報番組『ぽかぽか』の月曜レギュラーを務め、事務所の先輩で『Hey! Say! JUMP』の山田涼介（31）が主演の同局系金９枠のドラマ『ビリオン×スクール』に出演するなど俳優としても活躍。

ええグルでは正門良規（27）がMBS・TBS系の土曜朝の情報番組『サタデープラス』のMCを務め、草間リチャード敬太（28）は日本テレビ系の『ザ！鉄腕！DASH!!』やTBS系『ラヴィット！』などバラエティでも活躍している。両グループとも個々の活動は目立っているものの、旧ジャニーズ事務所が芸能界に〝帝国〟を築いていたころとは、すっかり状況が一変したために、売り出しにも苦労しているようだ。

「ジャニー氏の性加害問題が騒動になる前は、テレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』を筆頭に旧ジャニーズ勢以外のボーイズグループはなかなか音楽番組には出演できませんでした。しかし、現在ではまったく〝忖度〟なく、他事務所のボーイズグループも出演しているのが最も顕著なテレビ各局のスタンスの変化といえるでしょう。

旧ジャニーズ勢のテレビ番組への露出減や、他の事務所の国内外のボーイズグループ起用が大幅に増えたことにより、まだ新顔である両グループはすっかり〝その他大勢〟の中に埋もれてしまっている印象です。昔からの固定ファンはもちろんついているものの、デビュー後につくファン層はあきらかに他に食われてしまっています。目立っている一部のメンバー以外は存在感がなく、すっかり性加害問題の〝巻き込み事故〟にあったような状態になってしまっています」（同前）

果たしてトラジャはここから巻き返し、ええグルはさらなる人気の上積みをすることができるだろうか。かつての〝ブランド〟の名に恥じない活躍を期待したい。

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