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俺ちゃん、(MCU)を救っちゃう?注目の映画『&ウルヴァリン』がついに日本公開となった。

THE RIVERでは7月上旬、本作のショーン・レヴィ監督への取材のため韓国に飛んだ。監督から聞き出した回答は全て、これまで記事にてお伝えしてきているが、本ページではインタビューの様子をフルでお届け。本作でレヴィ監督が日本のメディアのインタビューに答えたのは、これが極めて貴重な機会のひとつである。

ネタバレあり/なしでページを分けているので、まだ映画を観ていない方でも安心してお楽しみいただける。

©︎ THE RIVER 『デッドプール&ウルヴァリン』ショーン・レヴィ監督 インタビュー

──本作の一部は、2023年のストライキ中に撮影が行われました。脚本家ストライキの最中、条約のためライアン・レイノルズは現場でアドリブ禁止になったそうです。

脚本を書いている時から、僕たちは「もうすぐ脚本家ストライキになるかもしれない」という話をたくさんしていました。毎日、脚本を書いて、書き直して、また書き直して、というのを一日中繰り返していました。そうやって最高のアイデアが詰まった草稿が、ストライキ開始前に完成しました。

最初の部分は、脚本に従って進めることができました。でも、そこで俳優ストライキが始まったので、撮影の半ばで中断せざるを得ませんでした。脚本家ストライキと俳優ストライキが明けて再開してからは、かなり自由にやれましたね。それからは、脚本の内容に加えて、撮影中にひらめいたアイデアも加えられました。ライアンもアドリブをしたし、僕もカメラの後ろで新しく思いついたセリフを彼に与えました。そうやって新しいアイデアがどんどん広がっていったんです。

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──アドリブなしの期間中、撮影は難しかったですか?

ライアンと一緒にやる映画は、今作が3度目です。基本的に、一緒に脚本を書くプロセスそのものがアドリブ的でした。だから、予め脚本に書いた通りに演じるということ自体が、アドリブをやるようなものでした。脚本に書いていたジョークで、お互いを笑わせ合っていましたよ。

──本作はMCU映画として初のR指定作品ですね。マーベル・スタジオに薬物使用ネタはダメと言われたので、その会話ごとジョークにして映画に取り入れたということです。他にマーベルやディズニーからダメと言われたことは?

いいえ、唯一ダメだと言われたのは、本当に薬物使用に関するものだけでした。その唯一のルールすらもジョークにしてしまおうというのは、ライアンの天才的な発想によるものです。ケヴィン・ファイギから言われたのは、本当にそれだけです。最初の予告編でも、「コカインだけはファイギがダメって言ってただろ(編注:字幕では「それだけはマーベル的に絶対NG」)」というセリフを入れました。

デッドプール映画を作る面白さは、“何も安全は保証されていない、誰も安全は保証されていない(=何もかもが標的になりうる)”ということ。デッドプールは、自分が映画の中にいるということをよーくわかっているからこそ、自虐的に楽しむことができるのです。

(c) MARVEL 2024

──あのセリフは、ライアンの発案だったのですね。

そうです。彼のために言うと、ケヴィン・ファイギもいたく気に入っていましたよ。それから、マーベルもディズニーも、この作品を『デッドプール』映画として、MC初のR指定映画として成功させるためには、僕たちに自由にやらせるべきだと、初回のミーティングから言ってくださいました。その通りに実現させることができました。

──ご存知か分かりませんが、本作のデッドプールとウルヴァリンの格闘シーンの振り付けが、『スパイダーマン』(2002)とフラッシュのものとしているとネットで話題になりました。

僕もインターネットはやっているので、知っています(笑)。

あれにはビックリしましたね。デッドプールのスタンドダブル兼コレオグラファーを務めているアレックス・クシュコヴィッチに聞いてみたんです。彼が本作の振り付けの多くを作っているんですが、僕もこの件が気になって、「トビー・マグワイアのスパイディがパンチを避ける動きと同じだとネットで話題になっている」って聞いてみたら、完全に偶然だということなんです。全く意図しない形で、昔のスパイディをなぞるような動きになっていたんですよ。

──『アベンジャーズ5』の監督候補だと聞きました。楽しみですか?現在の進捗はどうですか?

二つの質問をされましたね(笑)。今まで、すごく忙しく過ごしていました。僕もネットは見るので、そういう記事は目にしています。マーベルではものすごい経験をさせてもらえて、本作『デッドプール&ウルヴァリン』の製作と仕上げで、かなり忙しかったんです。実際、今こうしている間も仕上げ作業の最中なんです。この取材に入る直前、ちょうど先ほどもエレベーターの中でVFXの最終版にアプルーブ(=許可、承認)を送ったところなんです。とにかく最高のものを極限まで求めているからです。

マーベルでは最高の経験ができました。将来、僕とマーベルの関係は続くと確信しています。ケヴィン・ファイギとルイス・デスポジートも同じように思ってくれています。だから、楽しみですね。

(※このインタビューの後、『アベンジャーズ/エンドゲーム』アンソニー&ジョー・ルッソ監督が新たに交渉中だと。)

──犬のデッドプール、ドッグプールが登場しますが、事前のプロモーションではあまり情報が得られていません。ドッグプールとウェイドはどういう関係なのですか?

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ご存知かもしれませんが、ドッグプールは原作コミックに登場するキャラクターです。デッドプール・コァのたくさんいる変異体のうちのひとつ。そこで、世界で最も醜い犬を探していたら、イギリスで最も醜い犬として賞も受賞したペギーという犬を見つけたんです。今やスター犬ですね。

ウェイドはドッグプールのことが大好きなんです。なぜなら、自分より醜い唯一の生き物だからです。恐ろしい見た目をしている同士として、ウェイドは彼女のことをソウルメイトだと思っています。2人の間には本物の、愉快な繋がりがあるんですよ。

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──もし他に好きなマーベル・ヒーローをR指定で映画化できるとしたら、誰を選びますか?

正直、R指定については、ただ使えるから使うというものではありません。デッドプールが喋る内容的に、理にかなっているからR指定になっているんです。それから率直にローガンにとっても理にかなっています。彼の生き様やセリフも尖っていますからね。

例えば、僕はR指定のセリフを喋るピーター・パーカーを見たいとは思わない。ソーやドクター・ストレンジが、突然R指定映画のセリフを喋ることも求めていない。しかし、トニー・スタークがR指定の英語で罵っているのは、確かに聞いてみたいですね。それくらいだったら想像できるんですけど、やっぱりR指定は使えるから使っとく、っていうものではなく、キャラクターにとって整合性があるから使うんです。だから、もしも今後もMCUでR指定映画がつくられるのなら、キャラクターに忠実であり続けることが重要。ただ単にできるからやる、というものではないと思います。

次のページには、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。映画を観てから読んでね♡

このページには、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。映画を観てから読んでね♡

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──オープニング・シーン、インシンクのヒット曲『Bye Bye Bye』の起用が嬉しかったです。ライアン・レイノルズが実際に踊っているのですか?

ライアンにはたくさんの才能があって、踊りも下手というわけではありません。ただ、『デッドプール&ウルヴァリン』のオープニングのダンスでは、ライアン・レイノルズが持っているスキル以上のことが求められました。2週間もしないうちに、あのダンサーが誰だったかは世界中に知れ渡ることになると思います。あのオープニングシーンは純粋な喜びに満ちていましたよね。そこには暴力もあり、楽曲もある。僕たちは『ダンスプール』と呼んでいます。あのダンスには高いレベルが要求されました。

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──映画の序盤ではハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)がカメオ登場しました。さらなるMCUキャラクターの登場もあるのでしょうか?

たくさんありますよ!

──カメオ登場するキャストたちは、あなたたちが出演を持ちかけた時、どんな反応をされていましたか?

全編を観ていただければきっとご理解いただけるはずですが、本作には最高のサプライズや小ネタ、予想外のキャラクターがたくさん登場します。僕たちがやったのは、“聞いてみる”ということだけ。(ライアンと)脚本を書きながら、“このシーンでこのキャラクターがいきなり登場したらどうだろう?”と話して、その場でその役者に“『デッドプール&ウルヴァリン』に出演しませんか?”とメッセージをすぐに送るんです。全員“イエス”と言ってくれましたよ。

そうやって、本作は嬉しいサプライズ満載になりました。デッドプールのファンはたくさんいますが、その多くは役者でもある。ほとんどの人が快諾してくださいました。その舞台裏はいたってシンプルで、お願いしてみたら同意してもらえた、ということだけなんです。

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──序盤、ウェイド・ウィルソンがTVAに連行された後の展開では、テレビモニターにアベンジャーズの映像が映し出されていました。その中に、死にゆくデッドプールをソーが抱いているものもありましたが、あのクリス・ヘムズワースは新規撮影ですか?

未来の一部を見せる映像ですね。ライアンも僕もクリスとは友人です。秘密を全てバラさないでおきたいですね。あのサプライズ登場には、ほとんどトリックはありません。どんな質問にもお答えするつもりですが、でも少し謎を残しておくことにしましょう。

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──本編では、『LOGAN/ローガン』(2017)ジェームズ・マンゴールド監督をイジるネタもありました。

そこを気に留めてくれて嬉しい!たくさんのジョークがものすごいスピードで登場しますからね。ライアンが、ジョークのためにスローダウンしたくないとこだわったんです。そのまま楽しんでもらって、もう一回映画を観に行ってもらいたいと。

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──マンゴールド監督に全編を観てもらって、感想を聞いたとしたら、彼はなんと言うと思いますか?

マンゴールドとも本作の話をしています。まず、当然ながら僕も『LOGAN』を鑑賞していて、傑作映画だと思っています。数年前の話ですが、『LOGAN』を観て劇場から出た時、そのままジェームズ・マンゴールドに電話をかけました。そして、「あなたと面識はありませんが、あなたの映画が大好きです。そして今作が最も好きです。よろしければランチでもご一緒しませんか?」と誘ったんです。そして僕たちはランチをしながらじっくり語り合いました。僕の方は、彼のただのファンだったので、完璧映画『LOGAN』についてあれこれインタビューする感じでした。

それから本作『デッドプール&ウルヴァリン』の製作開始前に、また彼と改めて話したんです。ヒューもね。フレンドリーな感じでした。彼は、僕たちの映画が『LOGAN』に対して何かをするものではないとわかってくれていましたし、『デッドプール&ウルヴァリン』の製作関係者全員がウルヴァリンのファン、特に『LOGAN』のファンであることもわかってくれていました。だから僕たちは『LOGAN』のレガシーを楽しく扱いつつ、同時に多大なリスペクトを払いました。そのことが、本編のとあるシーンで表現されていますよ。

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『デッドプール&ウルヴァリン』は大ヒット上映中。

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