有村架純

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目黒蓮が月9初主演

「つらい」「しんどい」「もう無理」。視聴者が悲鳴を上げている重くて暗いドラマが話題を集めている。「月9」ことフジテレビ系連続ドラマ「海のはじまり」(月曜午後9時)だ。Snow Manの目黒蓮が会社員の夏役で主演し、その恋人・弥生役を有村架純が務めている。15日放送の第3話についてネット上では、煮え切らず言葉もよく聞き取れない主人公(目黒)にイライラする声以上に、妊娠、中絶の過去がある弥生の立ち位置について、「しんどすぎる」と同情する声が続々と寄せられたのだ。※以下、ネタバレを含みます。

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 連続ドラマに詳しい放送ライターがこう明かす。

有村架純

「衝撃のシーンが第2話に登場しました。主人公の夏は、死去した元恋人の水季(古川琴音)が産んだ6歳の女の子・海(泉谷星奈)は、自分の子どもであることを現恋人の弥生(有村)に告白。『正直ほっとした。ずっと自分が殺したんだと思っていたから』とつぶやきましたが、実は弥生には妊娠し中絶した過去があったのです。非情な台詞にやりきれない気持ちになりました」

 第3話では水季の母・朱音(大竹しのぶ)から「あなた、子ども産んだことないでしょ」と嫌味を言われた弥生。22日放送の第4話の予告編では、夏に「私、殺したことある」と打ち明け、浴槽で泣きじゃくるシーンが盛り込まれた。

「(予告編では)弥生が夏に『海ちゃんのお父さんになってほしいし、私もお母さんになりたい』と幸せな未来を語りかけましたが、夏は『待って』と返すシーンも出てきます。案の定、視聴者からは『有村架純ちゃんがしんどすぎるよ』『こんなのみていられないじゃん』『架純ちゃんの心が心配になるドラマだ』などの声が相次いでいます。視聴者の否定的な反応に、同ドラマの村瀬健プロデューサーも自身のXで『弥生の想い、朱音の想い。みんな、つらい。でも……。次のロールは、じっくり、ゆっくり見て頂きたいです。ぜひ……』と視聴者に懇願する異例の事態になっていますよ」(前出の放送ライター)

「海のはじまり」は目黒初の月9主演。川口春奈と目黒の共演で大ヒットした22年10月期のフジテレビ系ドラマ「silent」の村瀬健プロデューサー、脚本家の生方美久氏、AOI Pro.の風間太樹監督が再び集結し、完全オリジナルストーリーとして制作されている意欲作だ。風光明媚な海の景色を静謐に映し出し、極力トーンを抑えた台詞のやりとりが従来の月9との違いを際立たせている。

「そして、生きる」との類似点

 今後、物語はいったいどこへ向かうのか。指摘されているのが、有村が坂口健太郎とダブル主演した2019年放送のWOWOWドラマ「そして、生きる」(全6話)との類似点だ。岡田惠和氏が脚本を手掛けたヒューマンラブストーリーで、東日本大震災後に運命的に出会った若者男女の濃密な人生を描いている。

 このドラマで有村の役どころは、3歳の時に両親を交通事故で亡くした生田瞳子。女優を志す瞳子は、東京でのオーディション前日に発生した東日本大震災の後、ボランティア活動に参加し東京の大学生・清水清隆(坂口)と出会う。清隆と遠距離恋愛を続けていた瞳子は間もなく妊娠。仕事でフィリピンにいる清隆には明かさず1人で出産、子育てをする決意を固めたが、道端で倒れ病床で流産を知る。

 フジテレビ関係者は両ドラマについてこう語る。

「『そして、生きる』では瞳子が叔父(光石研)に『命はなくせない』と涙を流して産む覚悟を語り、紆余曲折の末に別の男性ともうけた女児と暮らしていくという展開です。これに対し、『海の―』に登場する水季や弥生の境遇は、瞳子の人生を2で割ったような印象があります。『そして―』は大切な人を失う悲しみと再生が東北の美しい自然とともに描かれ、共に両親を亡くした瞳子と清隆の生き方が家族の意味を問い直していました。『海の―』の場合、恋人同士の夏と弥生がこのまま結婚して海と3人家族になる、というエンディングではあまりに陳腐なので、今後は弥生に振りかかる葛藤や苦悩がより深刻化していくのでは。視聴者の悲鳴は当分続きそうです」

 気になるのは視聴率。第1話は世帯8.0%、個人4.6%、第2話は世帯8.1%、個人4.7%と微増だったが、第3話は世帯7.1%、個人4.0%と落ち込んでしまった(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「重すぎる」ストーリーに脱落者が相次いでいるようだが、巻き返しはできるのか。

デイリー新潮編集部