製造業で望まれるPCは壊れない、止まらない - ものづくりワールド名古屋でエプダイブースを見てきた
2024年4月10〜12日、ポートメッセなごやにてRX Japanの主催による「ものづくり ワールド [名古屋] 2024」が開催されました。製造業を対象とした展示会にエプソンダイレクトが出展したので、見に行ってきました。
ものづくり ワールド [名古屋] 2024。MとWを組み合わせたシンボルマークは昨年制定されたもので、記念撮影用オブジェがありました
エプソンダイレクトブース。手前がARグラスのMOVERIOを使用した現場とのやり取りを想定し、奥側がパソコンとなります
○中部地方の熱いアクセスに応えて、現場目線の内容で出展
東京の展示会は何度か行ってますが、名古屋は初めてです。エプソンダイレクトが名古屋の展示会に出展した理由を伺ったところ、「ある展示会レポートのアクセス記録を確認したところ名古屋エリアからのアクセスが多かったため、出展することになった」との事。なるほど。
今回の展示は製造現場を中心に小型PCの提案を行っているという事で展示されていた小型パソコンは4種類(+タブレット)。いずれも製造業で求められる仕様となっています。
今回展示されていたのは小型PCとなります。現場よりの製品です
Endeavor ST55Eシリーズ。ST20Eからサイズを継承しており、いたずらに小型化を追求していないつくりです
左がEndeavor ST210Eシリーズの光学ドライブオプション付きモデル。右がハーフハイトのPCIeカードが利用できるEndeavor SG150シリーズ
Endeavor AT998シリーズ。2003年に発売したAT951から20年以上筐体サイズを変えていないだけでなく、シリアルポート、パラレルポートを標準装備。シリアルポートは最大4ポートまで対応という地に足の着いた設計が魅力です
特筆点は「レガシーポートがたっぷり」というところ。例えばEndeavor AT998シリーズは、本体の後ろだけ見ると「20年前のパソコンです」と言われても納得してしまうかのようなポート類が並んでいて、その内容はキーボードとマウスはPS/2コネクタ、RS-232Cのシリアル通信にプリンタポートなど。グラフィックス用もVGAとDVI-Dのコネクタです(HDMI出力はオプション)。
製造現場でまだまだシリアル/パラレルの機器が使われていることもあり、使えなくなったパソコンだけリプレースすれば、他の設備の変更なしで継続使用できるというのはグッドポイントでしょう。
ちなみにAT900シリーズは2003年に登場してから基本的に筐体サイズを変えておらず、内部レイアウトも大体同じです。今まで使っていた古い900シリーズをリプレースした場合でも問題なしという、製造現場を把握した作りが印象的です(別のブースで「今も現場ではGPIBが使われていて、インターフェースボードの注文がある」とも聞いています)。
裏を見せてもらうと、こんな感じ。SG150にはオプションのシリアルポートと外部電源スイッチ、GPUをを搭載。AT998は2つ目のシリアルポートとHDMIコネクタが増やされています
ST55Eもオプションのシリアルポート付きで展示。シリアルのD-SUB9pinとともにUSB-Cコネクタがあるのがかなりビックリ
工場で使われるパソコンゆえに「壊れないこと」と「止まらないこと」は重要です。吟味されたパーツを使用したうえで徹底した評価によって開発されているため、元々壊れにくいことに加え、最長7年の長期保守サービスと有寿命部品保守サービスも実施しています。
また、Windows Updateに伴う再起動やアップデートに伴うドライバ等の相性問題を避けるためには「枯れたOS」が必要です。そこでWindows 10 IoT Enterprise LTSCモデルも用意しています。
通常版は2025年10月14日で拡張サポートも終了してしまうWindows 10ですが、Windows 10 IoT Enterprise LTSCはリリースから10年間のサポートがあり、機能追加もありません。
現在Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021が最新版で、2032年1月13日までサポートがあります。長期間の利用が可能なので、工場での利用以外にサイネージ用途としても向いていると説明を受けました。
Windowsを現場で使う際に困るのがWindows Update。以前WindowsベースのNASを使っていたことがありますが、毎月のアップデートに閉口したことがあります。今回紹介のPCにはWindows 10 IoT Enterprise LTSCモデルが用意されており、長期利用をソフト側からもサポート。本体は7年間の定額保守サービスも用意されています
Linuxを使用したいユーザーにはOSレス製品の提供および、顧客が望む構成で出荷するキッティングサービスもあり、自動車メーカーのTier1/2の会社で利用されているそうです。
なお、展示会開催直前の2024年4月8日に価格改定(おおむね値下げ)がおこなわれており、価格に関してはカタログではなくサイトを見てほしいという事です。
現場向けのタブレット製品も展示していました
他にARグラス「MOVERIO」も現場目線で展示していました。バンドで止めるタイプのBT-45CSだけでなく、眼鏡型のBT-40Sも展示。ヘルメットによって使い分ける提案をしていました。
ARグラスのMOVERIOも現場向けに展示。ヘルメット、インターカムはサードパーティ製品です。ここではメガネ型のBT-40Sを使用
バンドタイプのBT-45CSを使用している例。現場によって異なるので使い分けてほしいという説明でした
従来なら電話片手にチェック作業をしていることが多いと思いますが、その際は片手がふさがってしまいます。また、音声のみでのやり取りでは伝わりにくい場所の指示も現場の図面があればわかりやすいですし、現場の映像があれば事務所にいるベテランも指示がしやすいとARグラスを使う事でハンズフリー性と双方向通信のメリットをアピールしていました。。
TEAMSを使い、現場では会社のベテランからの指示に加えて、図面の共有が行え、ベテランは作業員からのカメラ情報を見て判断できるというシナリオです
BT-40Sは2マイクとなっており、手元のオペレーターの声を伝えやすいつくりになっています。現場のノイズを減らして作業員の声がよく聞き取れるという意味では重要ですが、「今回、お客様の声として『現地の測定器の音が聞こえない』」というケースもあったとのこと。周辺音まで伝えるか、オペレーターの声だけ伝えるのかというのはなかなか難しいようです。
オマケ:会場近くには「リニア・鉄道館 〜夢と想い出のミュージアム〜」があります。私は「鉄分」濃い人ではないはずですが新幹線が0/100/300/700系と20番台ドクターイエローそろい踏みには大興奮!(あれ?500系はないのと思いましたが、あれはJR西日本だけ所有でした)
ものづくり ワールド [名古屋] 2024。MとWを組み合わせたシンボルマークは昨年制定されたもので、記念撮影用オブジェがありました
エプソンダイレクトブース。手前がARグラスのMOVERIOを使用した現場とのやり取りを想定し、奥側がパソコンとなります
東京の展示会は何度か行ってますが、名古屋は初めてです。エプソンダイレクトが名古屋の展示会に出展した理由を伺ったところ、「ある展示会レポートのアクセス記録を確認したところ名古屋エリアからのアクセスが多かったため、出展することになった」との事。なるほど。
今回の展示は製造現場を中心に小型PCの提案を行っているという事で展示されていた小型パソコンは4種類(+タブレット)。いずれも製造業で求められる仕様となっています。
今回展示されていたのは小型PCとなります。現場よりの製品です
Endeavor ST55Eシリーズ。ST20Eからサイズを継承しており、いたずらに小型化を追求していないつくりです
左がEndeavor ST210Eシリーズの光学ドライブオプション付きモデル。右がハーフハイトのPCIeカードが利用できるEndeavor SG150シリーズ
Endeavor AT998シリーズ。2003年に発売したAT951から20年以上筐体サイズを変えていないだけでなく、シリアルポート、パラレルポートを標準装備。シリアルポートは最大4ポートまで対応という地に足の着いた設計が魅力です
特筆点は「レガシーポートがたっぷり」というところ。例えばEndeavor AT998シリーズは、本体の後ろだけ見ると「20年前のパソコンです」と言われても納得してしまうかのようなポート類が並んでいて、その内容はキーボードとマウスはPS/2コネクタ、RS-232Cのシリアル通信にプリンタポートなど。グラフィックス用もVGAとDVI-Dのコネクタです(HDMI出力はオプション)。
製造現場でまだまだシリアル/パラレルの機器が使われていることもあり、使えなくなったパソコンだけリプレースすれば、他の設備の変更なしで継続使用できるというのはグッドポイントでしょう。
ちなみにAT900シリーズは2003年に登場してから基本的に筐体サイズを変えておらず、内部レイアウトも大体同じです。今まで使っていた古い900シリーズをリプレースした場合でも問題なしという、製造現場を把握した作りが印象的です(別のブースで「今も現場ではGPIBが使われていて、インターフェースボードの注文がある」とも聞いています)。
裏を見せてもらうと、こんな感じ。SG150にはオプションのシリアルポートと外部電源スイッチ、GPUをを搭載。AT998は2つ目のシリアルポートとHDMIコネクタが増やされています
ST55Eもオプションのシリアルポート付きで展示。シリアルのD-SUB9pinとともにUSB-Cコネクタがあるのがかなりビックリ
工場で使われるパソコンゆえに「壊れないこと」と「止まらないこと」は重要です。吟味されたパーツを使用したうえで徹底した評価によって開発されているため、元々壊れにくいことに加え、最長7年の長期保守サービスと有寿命部品保守サービスも実施しています。
また、Windows Updateに伴う再起動やアップデートに伴うドライバ等の相性問題を避けるためには「枯れたOS」が必要です。そこでWindows 10 IoT Enterprise LTSCモデルも用意しています。
通常版は2025年10月14日で拡張サポートも終了してしまうWindows 10ですが、Windows 10 IoT Enterprise LTSCはリリースから10年間のサポートがあり、機能追加もありません。
現在Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021が最新版で、2032年1月13日までサポートがあります。長期間の利用が可能なので、工場での利用以外にサイネージ用途としても向いていると説明を受けました。
Windowsを現場で使う際に困るのがWindows Update。以前WindowsベースのNASを使っていたことがありますが、毎月のアップデートに閉口したことがあります。今回紹介のPCにはWindows 10 IoT Enterprise LTSCモデルが用意されており、長期利用をソフト側からもサポート。本体は7年間の定額保守サービスも用意されています
Linuxを使用したいユーザーにはOSレス製品の提供および、顧客が望む構成で出荷するキッティングサービスもあり、自動車メーカーのTier1/2の会社で利用されているそうです。
なお、展示会開催直前の2024年4月8日に価格改定(おおむね値下げ)がおこなわれており、価格に関してはカタログではなくサイトを見てほしいという事です。
現場向けのタブレット製品も展示していました
他にARグラス「MOVERIO」も現場目線で展示していました。バンドで止めるタイプのBT-45CSだけでなく、眼鏡型のBT-40Sも展示。ヘルメットによって使い分ける提案をしていました。
ARグラスのMOVERIOも現場向けに展示。ヘルメット、インターカムはサードパーティ製品です。ここではメガネ型のBT-40Sを使用
バンドタイプのBT-45CSを使用している例。現場によって異なるので使い分けてほしいという説明でした
従来なら電話片手にチェック作業をしていることが多いと思いますが、その際は片手がふさがってしまいます。また、音声のみでのやり取りでは伝わりにくい場所の指示も現場の図面があればわかりやすいですし、現場の映像があれば事務所にいるベテランも指示がしやすいとARグラスを使う事でハンズフリー性と双方向通信のメリットをアピールしていました。。
TEAMSを使い、現場では会社のベテランからの指示に加えて、図面の共有が行え、ベテランは作業員からのカメラ情報を見て判断できるというシナリオです
BT-40Sは2マイクとなっており、手元のオペレーターの声を伝えやすいつくりになっています。現場のノイズを減らして作業員の声がよく聞き取れるという意味では重要ですが、「今回、お客様の声として『現地の測定器の音が聞こえない』」というケースもあったとのこと。周辺音まで伝えるか、オペレーターの声だけ伝えるのかというのはなかなか難しいようです。
オマケ:会場近くには「リニア・鉄道館 〜夢と想い出のミュージアム〜」があります。私は「鉄分」濃い人ではないはずですが新幹線が0/100/300/700系と20番台ドクターイエローそろい踏みには大興奮!(あれ?500系はないのと思いましたが、あれはJR西日本だけ所有でした)