海外注目のアート空間で食べた濃厚ヴィーガン味噌ラーメンの味は? 世界の人気美術館トップ5「チームラボプラネッツ」で堪能した“咲き誇る桜”とグルメ
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グーグルが発表した2023年の年間検索ランキング「Year in Search 2023」で、「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」(東京・豊洲)が「世界で最も人気のある美術館・博物館」トップ5に輝き、話題となっている。フランスのルーブル美術館やオルセー美術館など、世界の名だたる観光スポットが並ぶなか、日本で唯一ランクインしたのが、このデジタル技術とアートが融合した体験型施設だ。2024年3月1日〜4月30日の2カ月間は、施設内の2つの巨大空間に、桜が咲き誇る映像が幻想的な春限定の作品が出現する。大満足の美術館グルメや今しか体験できない作品の魅力をレポートする。
平日はインバウンドが多い、ねらい目は平日午後8時以降
施設内では、デジタル技術によって展示空間を視覚的に変容させることで、アートに包まれているような「Body Immersive(没入感)」をテーマにした体験が味わえる。鑑賞者と、展示作品とを隔てているものが、曖昧になっていくような独特の感覚。アートを鑑賞、体感することについて、従来の関係性を捉え直すきっかけをつかむことができる。
春限定は、桜を映像で表現した2作品。コンピュータプログラムによって、リアルタイムで描かれ続ける。まさに光の芸術だ。
これまでも同時期に公開されてきたが、春しか目にできないこの作品を目当てに、毎年約30〜50万人が訪れるという。驚いたのが、休日でなくとも多くの来場者でにぎわっていること。特に海外からの旅行客に人気だという。取材で訪れたのは平日の夜だったが、海外客が8割以上を占める状況だった。
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施設担当者に混雑状況やおすすめの来場時間について聞いてみると、「土日は日本の方も多いですが、平日はインバウンド比率が高くなっていますね。明るい時間は混むのでおすすめなのが、20時以降。比較的余裕のある空間の中でゆったり作品を鑑賞できるので、会社帰りに非日常気分を味わいたい方やデートにもぴったりです」とのこと。
境界から解き放たれた非日常空間で「濃厚ヴィーガン味噌ラーメン」を堪能
作品を見る前に足を運んでおきたいのが、施設内に併設したレストラン「Vegan Ramen UZU Tokyo(ヴィーガンラーメン ウズ トウキョウ)」だ。壁や床、天井まで360度、ミラーで覆われた部屋。そこに“空書”と呼ばれる文字が映し出される。
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空書とは「チームラボが設立以来書き続けている空間に書く書のこと」(HPより)。視覚的に、「作品空間は、テーブルや椅子などの物理的な境界面から自由になる」(HPより)のだという。この作品「虚像反転無分別」を楽しみながら、特別なメニューを味わえる。まずは、ここで腹ごしらえしよう。
オーダーすべきは、看板メニュー「ヴィーガン味噌ラーメン UZU style 東京店限定」(1800円)だ。ほのかな甘みの燕麦ミルクがベースのスープは、数種の味噌と白胡麻ペーストを合わせた特製味噌ダレとにんにく、生姜の風味が効いた濃厚な味わい。最後に加えた自家製の茶塩やピリッと効いた山椒の風味も程よいアクセントになっている。
宮崎県綾町の無農薬全粒粉を使用した自家製中太麺は、つるっともちもちの食感。ヴィーガンとは思えないほど、満足感の高い仕上がりになっている。
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ドリンクを合わせるなら、「徳島県産すだち緑茶スパークリング」(660円)がいちおし。さわやかなすだちの酸味と緑茶の旨みが調和したドリンクは、清涼感たっぷりでラーメンとの相性も抜群だ。
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素足で水に触れ、感覚が研ぎ澄まされる光の滝
初めに待ち構えているのは、四国の山奥にある滝をイメージし、水の粒子と光によって生み出された「坂の上にある光の滝」だ。鑑賞者は裸足になってこの滝を上っていくことになる。素足で水に触れることで、視覚だけでなく、より強く身体的な感覚で作品を実感できる。
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変容するふかふかの“ブラックホール”を歩く
その先の部屋には、ふかふかとした感触が体感できる作品「やわらかいブラックホール - あなたの身体は空間であり、空間は他者の身体である」が待っている。
床は、硬い平面ではなく、全体がクッションのようなつくりになっている。歩くと、身体の重さに影響を受けながら、床は違ったカタチを獲得する。つまり、空間そのものの形が変化していることになるので、普段は意識しない自身の身体と動きに不思議と敏感になるのを感じるだろう。
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きらきら輝く、光の彫刻群の中で遊び倒す
次の部屋には、光の点の集合で作られた光の彫刻群「The Infinite Crystal Universe」が無限に広がる。スマートフォンにダウンロードしたアプリから自ら選んだ星を投げ込むと、新しい光が生まれ、それらの集合によって作品が作られていくのだ。
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出現した星は互いに影響を受け、投げ込んだ場所と人の存在にも影響を受けるため、作品は永遠に形を変え続けていく。人のシルエットと光のコントラストでインパクトのある写真が撮影できるので、フォトスポットとしてもいちおしだ。
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舞い泳ぐ鯉がやがて花へと姿を変える
そしていよいよ一つ目の桜の作品「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」へ。床に張られた水の中に足を踏み入れると、色とりどりの鯉が舞い泳ぎ、その周りに花々が漂っている。いずれも、鯉も花ももちろん映像なのだが、本物の水に映し出された映像なので、とてもリアルだ。
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鯉は人にぶつかると花となって散る。そのような映像が、リアルタイムで流れていく。鑑賞者の動きに影響を受けて変容するため、二度と同じ景色が見ることができないところが面白い。
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輝く光の球体に埋もれ、童心に帰ろう
「変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色」では、人の衝撃によって色が変化し、音を発する光の球体の集合体に包まれる体験が味わえる。空間は、光る球体で埋め尽くされている。
人がかき分けたり、押したりすると、球体は周囲の球体に呼応して、同じ色・同じ音色を響かせていく。水中や朝焼けなど景色をモチーフにした自然界の段階的に変化した微妙な色合い(曖昧な9色)と、光の3原色(赤・青・緑)の全12色に変化していく様子に圧倒された。
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二度と同じ姿を見ることができない、舞い散る桜に見惚れる
そして、今回のメイン作品である「Floating in the Falling Universe of Flowers」が登場。時間と共に姿を変えながら咲き渡るのは、春・夏・秋・冬の花々の映像だ。つぼみをつけ、花を咲かせ、やがて散り、誕生と死滅を繰り返し続ける。
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春がやってきたら、刻々と変化しながら咲き誇り、舞い散る桜を満喫しよう。座りながら作品を鑑賞していると、移り変わっていく世界と自身がまるで一体化していくような、不思議な感覚が味わえる。より没入感を味わいたい人は、寝ころびながら鑑賞するのもおすすめだ。
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光の色と音に包まれる、神秘的な苔庭へ
終盤は「Garden Area」へ移動。立てた卵のような形をした物体「Ovoid」(オヴォイド、卵形の意)が点在する苔の庭園作品が出迎えてくれる。
人に押されたり、空気の流れに揺らいだりして動くと、光を放ち、音色を響かせる。作品名は「呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色, Dusk to Dawn」だ。ひとつの「Ovoid」が動くと、周辺の「Ovoid」も呼応して同様の音色を響かせる。自然やそこにいる人のふるまいに応じて変容し、人や環境と作品が一体化する様子を実感できるだろう。
ただし、「固形化された光の色,Dusk to Dawn」(夕暮れから夜明けまで)とあるように、作品が輝くのは日没後からなので、ご注意を。
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可憐な花々に囲まれた庭園で作品とひとつになる体験
最後に鑑賞したのは、ラン科の花々の中に埋没できる庭園作品「Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体」である。花を近くで見続けていると、花もまた人を見て存在を察知し、徐々に花の集合体が人を避けて上へと上がっていく。
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そして、そこに空間が生まれ、ゲストは自由に歩き回ることができる。作品の中で他のゲストと出会うと、それぞれの空間がつながり、ひとつになった景色が楽しめるのだ。ランは夜に向けて香りが強くなる為、訪れる時間ごとに可憐な香りを堪能するのもおすすめ。
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人や環境のふるまいに応じて次々と形が変化する「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」は、デジタル技術を通して、作品と自身との境界が無くなったような感覚が味わえる、唯一無二の没入空間だ。
忙しない日常に疲れた時こそ、新しい視点を得られるこの非日常スポットへ足を運んでみてほしい。絶えず変化していくアート空間に入り込めば、心と身体が刺激を受けて、日々のストレスも不思議とやわらぐだろう。
文・写真/中村友美
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【チームラボプラネッツ TOKYO DMM(豊洲)】
住所:東京都江東区豊洲6-1-16
営業時間:2024年3月〜5月は9時〜22時
※最終入館は閉館の1時間前
※入場時に30分〜90分ほど待機する場合あり
休日:2024年3月〜5月は、4月10日(水)、5月8日(水)
チケット料金:月〜金/大人(18歳以上)3800円、土日祝、特別期間/大人(18歳以上)4200円
■「Vegan Ramen UZU Tokyo」
営業時間: 3月〜5月は11時〜20時30分
※ラーメンのラストオーダーは閉店の30分前
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