あなたの「卒業ソング」といえば?実はもう歌われていない?世代別に見る『定番曲』の変遷
3月8日、熊本市の中学校は卒業式。
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今回は「卒業式の歌」について調査してきました。世代によって卒業式の歌が違うようなんです。
あなたの「卒業式で歌う曲」は?
“卒業式で歌う曲”について、代表的な3曲「旅立ちの日に」「仰げば尊し」「蛍の光」と、「その他」で街の皆さんに聞いてきました。
70代後半「仰げば尊し」
40代後半「仰げば尊し」
30代「仰げば尊し」
30代半ばより上の世代では多くの人が「仰げば尊し」。
一方、それより若い世代は…?
20代「旅立ちの日に」
10代「旅立ちの日に」
20代後半「旅たちの日に」
40代「蛍の光」20代「え!?」
どうやら世代によって卒業の歌には違いが。
「旅立ちの日に」と答えた世代に「仰げば尊し」について聞くと。
10代「ちょっとわからないです」
20代「卒業式で歌ったことはない」
20代後半「聞いたことはありますけど、実際に歌ったことはない」
「旅立ちの日に」の人気におされ、「仰げば尊し」は歌われなくなったのでしょうか?
うかがったのは熊本市の日吉中学校。音楽教諭として、30年以上 卒業の歌を指導してきた森田先生に聞きました。
音楽科 森田里美 教諭「定番の曲だと『仰げば尊し』ですけど、一時期歌わない学校もありました。学校によって違いますが、卒業式の式典の中でうちの学校はまだ歌っています」
では「旅立ちの日に」が歌われはじめたのは?
森田教諭「20年くらい前。それからしばらくは中学校で『旅立ちの日に』をずっと歌っている時がありまして」
1991年に埼玉県の中学校の教員によって作られた「旅立ちの日に」。2000年代に熊本でも定番曲として広まったといいますが、現在は?
森田教諭「私はここ10年近く歌ってない。わりと小学校で歌われることが多くなったんですよね」
今では小学校で歌われていて、そのため中学校では歌わない学校も増えているのだとか。
一方で「旅立ちの日に」にかわって、最近よく歌われている曲がありました。
J-POPを卒業の歌に選ぶケースも
森田教諭「『ぜんぶ』という曲を歌う学校も多いと思います。『大切なことは全部ここにある』というこの一言に全部込められている」
※「ぜんぶ」…漫画「ちびまる子ちゃん」の作者さくらももこさん作詞の合唱曲
森田教諭「もう一つは『群青』。うちの学校では今年初めて卒業式でこれを歌う」
『群青』は東日本大震災の復興を願い、被災した中学の生徒と教員が作った歌です。
森田教諭「どんな思いでこの詞がつくられて、それにどういう思いを重ねて歌うんだというのをかみしめながら歌ってほしい」
卒業する3年生たちは…
「歌詞が私たちの思いと共通する部分がたくさんある」
「先生の指揮を見ながら歌うのはこれが最後なのかなと思うとちょっと寂しい気持ちもある」
「歌を通じて保護者や先生方に感謝を伝えられたら」
「みんなで笑って卒業できるようないい歌を歌いたい」
さて、今回のアンケートでは、「その他」の曲を選択した人もいました。
なかでも、10代から多くあがったのが…。
「RADWIMPS(ラッドウィンプス)の『正解』」
この「正解」を卒業式に選んだ武蔵中学校の青木先生を尋ねました。
音楽科 青木栞 教諭「今はどちらかというと、生徒の歌いたい曲というか、アンケートをとってみんなで歌いたい曲を歌おうという感じで、曲を決めたりしています。J-POPの曲を合唱にアレンジするというのが増えてきている気がします」
「正解」の歌詞には 、特に印象的なポイントがあるといいます。
青木教諭「最後の終わり方が『よーい、はじめ』で終わっているんですよね。別れをさみしいと思う気持ちもなんですけど、次に向かって前を向いて歩いていこうというメッセージが強いなと思います」
昔も今も、込められた想いは変わらない卒業の歌。
門出を迎えた生徒たちの想いを乗せて、今年も歌声が響きます。