『楽しそう』と言うきっかけでバスケにはまったというまるぴさん

 明るいキャラクターと愛くるしいルックスで人々の心をつかみ、SNSフォロワー75万人を誇るタレント・女優のまるぴさん。2021年のデビュー当時から、中学時代から親しんだバスケットボールに関わる仕事がしたいと各方面にアピールし、一昨年の『熱血バスケ』(NHK BS)出演を皮切りに、FIBAバスケットボールワールドカップやウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権)のテレビ特番にも出演。

「今でも夢のなかにいるみたい」と話すまるぴさんに、自身のバスケットボール遍歴や競技の魅力をうかがうと、大きな瞳をキラキラと輝かせながら、マシンガンのように話し始めた。

【『うまい・下手』でなく『楽しい』気持ちで】

――バスケットを始めたのはいつ、どんなきっかけだったんですか。

「中学1年生からです。それまでは習い事でクラシックバレエとダンスをやっていて、中学で部活に本気で取り組むつもりはなかったんですけど、近所の仲のいいお姉ちゃんがバスケ部に入っていて、『一度見学においでよ』と誘われたのがきっかけですね。その方が県のベスト5とかに選ばれるような有名な選手で、プレーする姿がひときわ輝いていて、"女子のスポーツでこんなにかっこいいものがあるんだ!"って感銘を受けて勢いで入りました(笑)。運動神経がいいほうではないんですが、『うまい・下手』でなく『楽しい』をモチベーションに高校でも続けました」

――中学と高校、それぞれの最高成績は?

「中学時代は先輩たちが強くて、自分が1年生でベンチ登録されていたかどうかというようなときに県大会のベスト4くらいまで行ったと思います。自分たちの代は、県大会に行けるか行けないかくらい。高校は県でベスト8くらいですね」

――立派な成績ですね。

「ただ自分は、高校1年の冬、新人戦が終わってすぐくらいのタイミングで足のじん帯を切って、手術をすることになって。そこからリハビリを続けてはいたのですが、部をやめてしまったんです。なので、新人戦で決めたシュートは今でもよく覚えてます。先輩方がだいぶ点差をつけてくれて『1年生を出そう』みたいな感じになった時に3ポイントシュートをバシッと決めて、『私の時代、来るかも!? 』と思ったらケガをしてしまったので」

――バスケ人生で一番思い出に残るのも、このシュートですか?

「いえ、中学3年生のラストの大会です。すごく仲がよくて、いつも一緒に通学していたバスケ部の友達が大会前にじん帯をケガしてしまって、ベンチから外れてしまったんです。でもその子は、私が試合に出ると必ず声をかけてくれて、ベンチと応援席とで距離はあっても目を合わせてくれました。確かその時は県大会のベスト8で負けちゃったんですけど、その子とそういうやり取りができてうれしかったなとか、最後は一緒にプレーしたかったなとか、いろんな感情が混じって大泣きした記憶があります」

――大学でもサークルで競技を続けられたんですよね。

「はい。高校バスケが悔しい形で終わってしまったので、大学ではバスケットボールのサークルをふたつ掛け持ちして、バスケ、バスケ、全部バスケみたいな生活でした。ただ今度は病気でプレーできなくなってしまって......。2度目の大きな挫折というか、『こんなに好きなのにできないんだ』って悲しくなってしまって、一時期はバスケそのものをシャットアウトしていましたね」

【いろんな距離の近さがバスケの魅力】

――そこからどのように立ち直られたんですか?

「周囲からBリーグや男女日本代表の話題を時々耳にしてはいたんですが、一番のきっかけは女子の日本代表が銀メダルを獲得した東京五輪だったかもしれません。シャットアウトしようとしても情報がどんどん入ってきてしまうくらいセンセーショナルで、ニュースなどで試合映像を見て『やっぱり自分はバスケが好きだ!』って再確認できたので。そして『生でバスケを見たい!』と思い、親も興味があったBリーグを見出したらどっぷりハマってしまってまいました。今は自分がプレーすることはないんですけど、その分の熱をすべて観戦に注いで"バスケ、大好き!"ってまた胸を張って言えるようになりました」

――プレーしていたときは、どういうところにバスケットの魅力を感じていましたか?

「ずっと走り続けなきゃいけないし、頭も使うし、コミュニケーション力も必要だし、チームスポーツの醍醐味がぎゅっと詰まったスポーツだなって思っていました。あとはプロでいう『セレブレーション(重要なシュートを決めた時などに選手たちが繰り出すポーズ)』的なものというか、部活でいうと、試合に出てない側の選手たちとのコミュニケーションが試合中に取りやすいっていうのが好きでしたね。もちろん勝負ごとだけど、楽しさとかノリとか勢いも出しやすいスポーツなんじゃないかなと思っていて。見てる側も楽しいですし、やってる側も楽しいスポーツ。バスケの魅力はそこかなと思います」

――中学時代のお友達とのエピソードも含め、まるぴさんはバスケットボールのいろんな意味での"距離の近さ"を魅力に感じられているんですね。

「そうですね。いまはBリーグを観戦することが多いんですが、選手のセレブレーションも多いですし、ブースターとかファンの皆さんの応援もすごいし、席によっては選手たちに触れられちゃうくらいの距離で試合を見られる。アリーナにいる人が一体となってバスケットボールを楽しんでいる感じが、私がバスケを好きなところなのかなって思います。

 なので、NHKさんで試合中継のゲストをやらせていただくときには、『ファン代表』という立ち位置でコメントすることを意識としています。本来、試合中継って解説の方と実況の方がいらっしゃるだけで十分楽しめるものだと思うので、せっかく私が行くんだったら、一番ファンに近い場所で観戦していて『あれ、これってどうなんだろう?』と思ったことを解説の方やスタジオゲストの方に投げかける。そこはすごく意識している部分です」

――ちなみに『熱血バスケ』の企画でも取り上げたという漫画『スラムダンク』で好きなキャラクターは誰ですか?

「ミッチー(三井寿)です。理由は...ごめんなさい、顔がかっこいいからです! 個人的に、バスケットのユニホームって人をカッコよくさせるものだと思っていて、それに一番似合う顔として描かれたんじゃないかって勝手に思っています(笑)。世代的にドンピシャだったのは漫画『黒子のバスケ』で、好きなのは青峰大輝。黒子はファンタジー要素というか、リアルでは絶対にありえないようなところもあるんですけど、スラムダンクとは違う魅力があって大好きです。まだ読んだことがないという方にはぜひ読んでほしい作品ですね」


バスケの魅力をさまざまな角度から熱く語ってくれた

【『まるぴ』と聞いたら『バスケ』が浮かぶ存在に】

――やる立場から見る立場、そして今はそれを伝える立場になりました。ご自身の現況についてどう感じていますか?

「この業界に入って3年目になるんですけど、マネージャーさんには最初に『私はバスケの仕事をするのが夢です。それができたらもう、それ以上ないです』って宣言していました。一昨年から『熱血バスケ』に出演させてもらって、ワールドカップやウインターカップの番組にも関わらせていただいたり......なんだろう、私が見ていたもの、夢見たことがいまのところすべて叶っているというか。本当に言葉にできないくらい、幸せなことが日々進んでいる感じがして、いまも、正直信じられないというか、夢の中にいるんじゃないの? って思うくらいです(笑)。

 私は、『まるぴ』と聞いたら『バスケ』がふと浮かび上がってくるような、バスケと私がリンクするイメージを持っていただけたらうれしいなと思いながら活動しています。先日NHKのお仕事でBリーグオールスターに行ったときに、Bリーグのファンの方から声をかけていただいたり、私のグッズをアリーナ内で掲げてくださる方を見かけて、初めて『自分の好きなことを世に知っていただいている』という実感が湧きました。すぐにお仕事だったので、涙を流すわけにはいかなかったんですけど、かなりウルッと来ていましたね」

――NHK BSで放送中の『熱血バスケ』では、バスケ情報を徹底取材する『応援隊』として出演しています。どのようなことを心がけていますか?

「『応援隊』という名前に負けないくらい国内バスケを応援する一方で、国内バスケを応援する人を増やせるような活動をしたいですね。すでにバスケが好きな方はもちろん、バスケをあまり知らない、見たことがないという人がこの番組を見た時に『バスケをもっと知りたいな』『近くにチームがあるから試合を見てみよう』というように、何かしらのプッシュができたらいいなと思っています。バスケは本当に毎日いろんなニュースがあふれていて、それをぎゅぎゅっと濃縮した番組なので、ぜひ、たくさんの方に見ていただきたいです!」


MCの副島淳さん(左)らと共に『熱血バスケ』を盛り上げる

【Profile】まるぴ/タレント、女優。1999年生まれ、群馬県出身。SNS総フォロワー75万人越え。初めて好きになったチームは地元の群馬クレインサンダーズだが、現在は「Bリーグ箱推し」。ほぼ毎日バスケ関連の映像をチェックし、各地の会場で買い集めた自宅のBリーググッズ入れはすでにパンク状態とのこと。『熱血バスケ』では応援隊として取材現場にも足を運び、バスケの魅力を伝えている。