東浩紀さん(2013年撮影)

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批評家・哲学者の東浩紀氏が2024年2月1日、X(旧ツイッター)で自身の著作物の試験利用に際するエピソードをつづり、怒りをぶちまけた。

「何様のつもりなんだろうね」

東氏は1日未明、Xを更新し「某法人から『おまえの著作物を試験に利用した』『どう利用したかは開示できない』『うちがおまえの著作物を利用したことは秘密にしろ』といきなり連絡が来たんだけど、こんな話ってある? むろん謝礼なし」と自身の著作物を試験問題の一部として利用された際のエピソードを明かした。

同時に「おまけに、僕の著作物に関する連絡なのに、手紙の宛先が『茂木健一郎』というオチ。酷すぎ」ともつづっている。

東氏は「僕の文章なんて毎年あちこちで試験に使われているし、問題集への使用許可も断ったことないんで利用するのははいいんだけど、この上から目線の『通達』にはさすがにカチンときた。何様のつもりなんだろうね」と、対応に疑問を感じたと吐露。

続く投稿では「問題くらい見せろ。そもそも、ぼくの文章がどこで使われたかをなんでぼくが秘密にしなきゃいけないんだ。そんな秘密保持を強要する権利はないだろう」と憤り、「けっこう有名な法人なんだけど、こんな団体とはね・・・」とぼやいた。

ユーザーからは同情の声

著作権法第36条では、他人の著作物を使って入試問題を作成する際は、例外的に著作権者の許諾を得ることなく一定の範囲で利用できることをうたっている。ただ、営利目的であれば「通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない」ともうたっている。

投稿を見たユーザーからは、試験問題への利用は法的には問題のない行為だとしつつ、東氏に同情する声が寄せられている。

「最近の某ドラマの件もそうですが、著作権物の扱いや原作者に対しての敬意が感じられないのは業界だけでなく日本全体で変えていかないとまずいですね。。。」
「試験のための利用には著作権が制限されるとはいえ、こういったリスペクトに欠ける通達はすべきではないな」
「宛先間違えて投函する間抜けな法人が実施した試験ってのが、何の目的の試験で、どんな内容のものなのか興味があるwww」
「法律的に良いか悪いか、とは別の話だよね礼儀をわきまえてる組織とはこれからも良い関係を築きたいと思うし、無作法な組織は信頼しなくなる それだけのこと、人として当然の感情だわ」
「試験問題に利用するなどは著作権法の例外でもあるけど、利用先や利用法は教えん...というのはどうなんだろう」