半身の「うな重」が1600円から! 2024年は「お手ごろうなぎチェーン」が拡大の予感!【フードNEXTトレンド】
コロナ禍を経て息を吹き返した外食トレンドからも目が離せない! 今回はフードライター中山秀明さんと「GetNavi」フード担当・鈴木翔子さんに2024年の「お手ごろうなぎチェーン」「第3のパン」「ニッカウヰスキー」について聞いてみた。
※こちらは「GetNavi」 2024年2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです
■フードライター中山秀明さん
食のトレンドに詳しいフードアナリスト。個人的には「お手ごろうなぎチェーン」が特に激アツだと豪語する。
■「GetNavi」フード担当・鈴木翔子
本誌のフードを5年以上担当。酒好きが高じ、しばしばバーでも働いており、酒トレンドに詳しい。
川上から川下までうなぎ上り!「お手ごろうなぎチェーン」
お手ごろ価格のうなぎチェーンと言えば「名代宇奈とと」のほぼ一強だったが、近年は新鋭が続々参入。なかでも2022年9月に横浜で創業した「鰻の成瀬」の勢いは凄まじく、2023年内で店舗数約70店を超えた。
うなぎビジネスは外食だけに留まらない。昨今、岡山理科大学や近畿大学が養殖に成功。23年夏には日清食品が発売した植物性うなぎ「謎うなぎ」が大ヒット。まさに、うなぎ上りで注目度が上がっている業界なのだ。
思わずウナる安さと味を両立した新鋭うなぎチェーンの大本命
鰻の成瀬
“うまい鰻を腹いっぱい!”がコンセプト。最も安価なうなぎメニューは、うなぎ半身ぶんを使った「うな重」を1600円(写真)から楽しめる。同社によると老舗うなぎ店の半額程度、それでいて1.5倍の量を実現している。
毎朝届く高級うなぎを鮮度を生かした関西風に!
うなぎ亭 智
2023年9月に東京・武蔵小山にオープンしたうな重専門店。愛知三河のうなぎ問屋から仕入れた高級うなぎをお手ごろ価格で楽しめる。毎朝届くうなぎの鮮度の高さを生かし、蒸さずに生のまま高温で一気に焼き上げる関西風に仕上げている。写真の「うな重 特上」は3080円
【ヒットアナリティクス】安さのカギは技術革新によるシステム化にあり
「新鋭店が圧倒的な安さとうまさを両立できる一番の理由が、調理などのシステム化。人件費を抑えると同時に、提供時間を短縮し回転率を上げ、単価を下げています。実に現代的であり、2024年はより拡大するでしょう」(中山さん)
先進技術:4 顧客ニーズ:4 市場の将来性:5 独自性:4 コスパ:5
麦、米の次に来るパンの新素材は豆だ!「第3のパン」
動物性原料不使用の食品ブランド「ZENB」が、スーパーフードである黄えんどう豆を使った「ZENBブレッド」を発売。グルテンフリーで食物繊維が豊富など、ヘルシーでヒットの要素は極めて高い。
ZENB JAPAN
ZENBブレッド
274円
小麦や動物性原料を使わずにふわもちなおいしさを実現
生地の主原料に黄えんどう豆を使った新しいパン。小麦のグルテンや卵、乳製品には頼らずに、ふわもち食感のおいしさを実現した。味は「くるみ&レーズン」「カカオ」「3種の雑穀」の3種をラインナップ。
【ヒットアナリティクス】人気のヘルシーパンの魅力だけをミックス
「食物繊維は少ないがグルテンフリーの米粉パンと、食物繊維が豊富で低糖質なグルテン入りのふすまパンの良いとこ取り。ふすまパンの代名詞、ローソンの『ブランパン』が販売数3億個超えなので、ヒットの可能性大」(鈴木)
先進技術:4 顧客ニーズ:4 市場の将来性:5 独自性:4 コスパ:3
ジャパニーズウイスキーはますますアツい「ニッカウヰスキー90周年」
“日本のウイスキーの父”と言われる竹鶴政孝氏が創業したニッカウヰスキーが、2024年で90周年を迎える。2023年はジャパニーズウイスキー100周年で盛り上がったが、この熱は依然冷めないだろう。
ニッカウヰスキー
ニッカの創業地や創業者の名を冠した商品が最注目株
ニッカウヰスキーは、1934年に北海道の余市で創業。その名を冠したシングルモルト「余市」や創業者の名であるウイスキー「竹鶴」など、周年記念商品が発売される可能性は高く、目が離せない。
【ヒットアナリティクス】記念商品は過去にもあり「マッサン」も周年
「限定商品の発売は発表されていませんが、80周年のときに記念商品が出ていたので、今回も登場するはず。しかも24年は、ジャパニーズウイスキー人気を後押しした、竹鶴氏がモデルの朝ドラ『マッサン』も放映10周年!」(中山さん)
先進技術:4 顧客ニーズ:4 市場の将来性:4 独自性:5 コスパ:2