台北市内の国防部庁舎

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(台北中央社)陸軍の現役中校(中佐)が軍用ヘリコプターを操縦して中国に投降しようと画策し、検察が捜査に入ったと一部メディアで報じられたのを受け、国防部(国防省)は11日、この件は軍と国家の安全を管轄する機関が内部告発を受けて司法機関に捜査を依頼したものだとした上で、先んじて措置を講じたと明らかにした。

台湾メディア「CTWANT」(周刊王)は11日、中校が中国軍の上級将軍を名乗る人物と接触した上で、自身が操縦するヘリコプターを中国の軍艦に着陸させることを条件に、開戦時に家族を優先的に台湾から避難させることや報酬を受け取ることを画策していたと報じた。報道によれば、中校は計画の実行前に身柄を拘束されたという。

同部は台湾に対する中国の諜報(ちょうほう)活動は日に日に切迫しており、浸透や情報収集の手段は多様化していると指摘。国軍は防衛措置を全面的に強化しているとした上で、最近捜査したスパイ事件の多くは軍人からの自発的な報告を受けて直ちに調査したものだと説明した。

(游凱翔/編集:田中宏樹)