『相棒』“暇課長” に意外な過去 切ない男泣きに心打たれる感動作
2000年のシリーズ誕生以来、濃密で骨太なミステリーの数々を世に送り出し、“国民的ドラマ”の地位を確立した『相棒』。
再会2年目の“伝説のコンビ”杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)が新たな挑戦に乗り出す『season22』は、2023年10月より放送中だ。
そんな『相棒』シリーズは、動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」「テレ朝動画」にて、過去全シーズンとスペシャルドラマに加え、劇場版、スピンオフも配信中。
テレ朝POSTでは新シーズンのスタートを記念し、『相棒』の個性豊かな登場人物たちにスポットを当て、オススメのエピソードとともに彼らの魅力を紹介していく。
今回は、「ヒマかっ?」のセリフでおなじみの薬物銃器対策課長・角田六郎(山西惇)を取り上げる。
◆『相棒』のムードメーカーにして特命係のよき理解者
特命係の部屋に「ヒマかっ?」とフラリと現れ、コーヒーを飲みながら世間話に花を咲かせる。
そんなシーンでおなじみの角田課長は、同作が連続ドラマとして放送される前のプレシーズン第2話(2001年1月27日放送)から登場しているレギュラー陣のひとりだ。
特命係の部屋が薬物銃器対策課の隣にあることから、しょっちゅう顔を覗かせては雑談したり、事件に首を突っ込んだり…。右京たちとのユーモラスなやりとりで視聴者を和ませている。
特命係に対しては、事件の情報を提供するなど協力的で、ときに事件解決の重要なヒントをもたらすことも。数少ない彼らの理解者ともいえる。
◆角田課長の同級生が殺害される事件が発生!
そんな角田課長が意外な活躍を見せたのが、『相棒 season 15』 第9話「あとぴん〜角田課長の告白」(2016年12月7日放送)。
中学時代に所属していた写真部の仲間・光田(樋渡真司)が何者かに撲殺され、その死の真相を知りたいと右京に依頼する。
光田は、「あとぴん」というあだ名で呼ばれていた恩師の小林(柴田次郎)の娘と結婚していたが、20年前に家族のもとから姿を消して以来、ずっと消息がわからなかった。病床に伏してこん睡状態の恩師のために、一刻も早く情報がほしいという。
捜査に乗り出した右京(水谷豊)によって、光田が同じ職場の仁藤(相島一之)という男から暴力を受け、金をせびり取られていたことがわかる。
仁藤は角田と同じ中学の先輩で、あとぴんこと小林の教え子だった。
角田が自ら仁藤の取り調べに当たり、恩師の小林がこん睡状態にあると告げると、仁藤はあっさり光田殺しを自供する。しかし、その裏には、34年前の写真が発端となった事件と悲しい真実があった…。
◆ムードメーカーのいつもは見せない涙に感動
『相棒』の人気キャラ・角田課長の中学時代の青春をテーマにした同作。
写真部に所属し、動物、とくにパンダの撮影に夢中になっていたこと、同級生の妻と当時から付き合っていたことなど、中学時代の角田課長のほっこりするようなエピソードが描かれた。
そしてなにより、いつもは温和でとぼけたキャラクターの角田課長が、殺された仲間のために奔走するという熱い一面を見せている。
同級生たちとの熱い友情、人情味あふれる姿など、いつもは見られない角田六郎の魅力がたっぷり詰まった作品だ。
恩師のために男泣きする切ないシーンにも注目して見てほしい。