若者の間で増加している「ミルクティー依存症」がうつ病と関連している可能性

近年は日本や中国をはじめとするアジア諸国において、タピオカドリンクなどを含む「甘いミルクティー」が人気を博しています。中国・北京の大学生を対象にした研究では、そんなミルクティーに依存してしまう「ミルクティー依存症」の傾向が強いほど、うつ病や孤独のリスクが高いという結果が示されました。
New form of addiction: An emerging hazardous addiction problem of milk tea among youths - ScienceDirect

Rising Addiction to Milk Tea Linked to Depression in Adolescents : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/rising-addiction-to-milk-tea-linked-to-depression-in-adolescents
近年ではミルクティーをベースにした甘いドリンクが人気を博していますが、これまでの研究ではミルクティーを含む不健康な食生活が、メンタルヘルスの問題と関連していることがわかっています。そこで、中国の清華大学や中央財経大学の研究チームは、中国の北京に住む大学生5281人を対象にした研究を実施しました。
研究では、被験者がどれほどミルクティーを消費したのかに加え、アメリカ精神医学会が作成する「DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)」の物質使用ガイドラインに従った「ミルクティー依存症」の傾向についても調査されました。研究チームは、「ミルクティー依存症はDSM-5で正式に分類されているわけではありませんが、重大な公衆衛生上の懸念として徐々に浮かび上がっています」と述べています。
調査の結果、被験者の77%が過去1年間で6〜11杯のミルクティーを消費しており、約半数は週に1杯以上のミルクティーを飲んでいることが判明。20.6%の被験者は週に2〜3杯、2.6%の被験者はなんと週に4〜6杯ものミルクティーを飲んでいたと報告されています。

また、研究チームはDSM-5に従ってミルクティー依存症の傾向を調べるための質問を作成しました。質問には「ミルクティーを意図したよりも多く、より長時間摂取することがあるか」「ミルクティーを飲むのをやめようと努力しても失敗した経験が複数回あるかどうか」「苦痛を感じた時にミルクティーの摂取に頼る頻度が高いかどうか」「悪影響を自覚しているのにミルクティーを継続的に摂取しているかどうか」「次第にミルクティーの耐性ができてしまい、量を増やす必要が出てきたかどうか」「ミルクティーの摂取を中止したり減らしたりすると禁断症状が出るかどうか」といったものが含まれていたとのこと。
研究チームが被験者のミルクティー依存症の傾向やメンタルヘルスに関する質問結果を分析したところ、ミルクティー依存症のレベルが高い被験者ほど、うつ病・不安・自殺念慮・孤独感などのリスクが高いことがわかりました。
今回の研究はあくまでミルクティー依存症の傾向とメンタルヘルスの問題の関連を明らかにしただけであり、「ミルクティーを飲むとメンタルヘルスに悪影響が出る」という因果関係を示したわけではありません。しかし、過去の研究ではミルクティーなどのドリンクに含まれているカフェインや糖分が、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性が示唆されているとのことです。
研究チームは、「私たちの調査結果は、ミルクティーの消費が依存症につながる可能性があり、それがうつ病、不安、自殺念慮に関連していることを強調しました。今回の知見は、政策立案者が若者のメンタルヘルスを守りつつ若者中心の消費産業を繁栄させるため、広告の制限、心理教育の提供、食品衛生基準の確立といったルールを策定する上で役立つでしょう」と述べました。
