元Appleで最高デザイン責任者として「iPod」「iPhone」などの主要製品のデザインを担当したJonathan Ive(ジョナサン・アイブ)氏とOpenAI CEOのSam Altman(サム・アルトマン)氏が、ハードウェアデバイスについて協議しているという。ソフトバンクの孫正義氏も話し合いに参加しているとのことだ。

アルトマン氏とアイブ氏は元々知り合いで、「AI時代の新しいハードウェア」がどのようなものになるのかを話し合っているという。デバイスが実現するのか、OpenAIが製造するのか、外部のメーカーが製造するのかなどはまだ不明だという。

アルトマン氏が新しいハードウェアでアイブ氏と組むのはこれが初めてではない。Thomas Meyerhoffer氏は、アイブ氏がアップルで最初に雇ったデザイナーで、ともにiMacなどのプロジェクトに携わったが、アルトマン氏の暗号プロジェクトWorldcoinの網膜スキャン「Orb」をデザインした。Orbは、アルトマン氏が2019年に共同設立し、同社の会長を務めるTools for Humanityによって開発された。

また、アルトマン氏は、元アップル社員が共同設立したハードウェアとソフトウェアの新興企業であるHumaneの大口投資家の1人でもある。Humaneは、スマートフォンに代わるウェアラブルAIデバイスを開発しており、HumaneはOpenAIと協力し、AI企業の技術をデバイスに統合しようとしている。

ソフトバンクの孫正義CEOも、アルトマンやアイブとの話し合いに参加していると言われている。かつて世界一の富豪だった孫氏は、ここ数年でAI関連の新興企業に1400億ドル以上を投資しており、以前はソフトバンクを“AI革命のための投資会社”にすると語っていた。孫氏の関与については、話し合いに参加したものの今後も関与するのかは不明という。The Informationが近い筋の情報として報じた。